先日、シャトー・ムートン・ロスチャイルドより
オーナー・ファミリーのジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスチャイルドさん
ジュリアンさんの父親で、ムートン・ロスチャイルドをはじめ、
シャトー・クレール・ミロン、ダルマイヤック、アルマヴィーヴァなどを所有する
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社の副会長、ジャン・ピエール・ド・ボーマルシェさん
ユーグ・ルシャノワーヌ社長が来日。
ワインショップ・エノテカ広尾本店で
シャトー・ムートン・ロスチャイルド2013年お披露目のイベントが行われました。
ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスチャイルドさんは実は今回が初来日!
昨年亡くなった、バロネス・フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人のご子息で
3人兄弟の末っ子にあたる方です。
↑ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスチャイルドさん
ジュリアンさんは、フランスのドローイングの専門家、蒐集家の顔をもち
画商としての活動もしているそうです。
美術に造詣が深いことから、
故バロネス・フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人に代わり
シャトー・ムートン・ロスチャイルドのアートラベルの
セレクションを任されていることが決まっています。
↑李禹煥さんとジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスチャイルドさん
今回、2013年のアートラベルを手掛けたのは
韓国生まれで日本を拠点に活躍するアーティストの李禹煥(リ・ウーファン)さん。
抽象的で強烈な個性を持つ作品は世界中の権威ある賞を受賞。
2000年の上海ビエンナーレでのユネスコ賞をはじめ、
ベニス・ビエンナーレ、パリのジュ・ド・ポーム美術館、
ニューヨークのグッゲンハイム美術館などで作品が展示されています。
李さんは、今回のアートラベルについて
「多くのアーティストの友人がムートンのアートラベルを手がけており、
自分もいつかと思っていた。 今回ようやくそれが叶って本当に嬉しい。」
とコメント。
20数年前、日本人として初めて1979年のラベルをてがけた堂本尚郎氏は、
李さんの先輩だったそうです。
そして、李さんがアートラベルを手がけたかった理由がもう一つ。
実は、彼は毎日ワインを飲むほどのワインラヴァーなのだそう。
「どの国のワインがお好きですか?」と質問したところ、
「どの国のワインにもそれぞれの良さがあり、様々なワインを楽しんでいる。
さすがにムートンは滅多に飲めないけれど。(笑)」
との答え。
2013年のボルドー地方は、
変わりやすく気まぐれな天候が記憶に残るヴィンテージでした。
寒く湿気の多い冬と涼しい春が開花を遅らせ、
雨が少なく暑い夏によって干ばつが続きました。
シャトー・ムートン・ロスチャイルドにおいて、
収穫は過去に例を見ない記録的な速さで行われ、
通常の人員に加え、130名を超える
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社の社員が参加し、
収穫者用の食堂では、過去最多の695食(!)が振る舞われたそうです。
↑2013年6月に完成した新しい醸造設備
2004年にシャトー・ブラネール・デュクリュから
フィリップ・ダルーアン氏を醸造責任者に迎えて以降、
品質が安定し、さらに高みに登ったと評されている
シャトー・ムートン・ロスチャイルド。
さらに2013年6月には醸造施設が刷新され、
それまでの2倍という64基のタンクを設置。
これにより、より細かい区画ごとのキュヴェの管理が容易になり
アッサンブラージュの精度が上がったようです。
2013年の収量は過去40年間で最低となりましたが、
過酷なまでの選果と、新しい醸造設備によるきめ細かい醸造によって
素晴らしい品質のワインが生まれました。
ロバート・パーカー氏が、
2013年のシャトー・ムートン・ロスチャイルドに
五大シャトーの中で最も高い評価を与えていることからも
こうした取り組みが実を結んでいると言えます。
↑シャトー・ムートン・ロスチャイルドの新世代のオーナーファミリー
フィリップ・ド・セレイス・ド・ロスチャイルドさん
カミーユ・ド・セレイス・ド・ロスチャイルドさん
ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスチャイルドさん
ワイン史に大きな足跡を残した偉大な人物、
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵を祖父に
そして、女傑と呼ばれたバロネス・フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人を
母にもつ3人兄弟。
アートとワインを結び付け、偉大なワインを生み出した先人たちの
意思をしっかりと受け継いでいるようです。
2016年1月27日水曜日
2016年1月17日日曜日
2016年 フルートグラス絶滅の危機!?
ちょっと大げさなタイトルですが
今年1月5日に英デキャンター誌で発表された
「Farewell to Champagne flutes in 2016?」
(2016年はフルートのシャンパーニュとおさらば?)
というタイトルの記事の内容がかなり衝撃的です。
↓デキャンター誌の記事はこちら。
http://www.decanter.com/learn/farewell-to-champagne-flutes-in-2016-286743/
記事を執筆したのは、
フリーランスのワインライター、ワイン講師として
イギリスを拠点に活躍しているアンネ・クレビールさん。
数少ない女性のマスター・オブ・ワインの一人でもあります。
記事によると、彼女はこの1年間
「1度もフルートグラスに触れることがなかった。」というのです。
その代わりに、彼女がシャンパーニュやスパークリングワインを飲んだのは
白ワイン用グラスだったとか。
そしてこの白ワイン用グラスこそが「素敵な香りや味わいを楽しませてくれた。」とも。
こちらは、シャンパーニュの老舗メゾン、ルイ・ロデレールの
醸造責任者、ジャン・バティスト・レカイヨン氏。
記事によると、レカイヨン氏曰く、
「シャンパーニュのポテンシャルを最大限引き出すために、
我々は白ワイン用のグラスをよく使っている。
また、約25年前には、フルートグラスよりも大きな
独自のチューリップグラスを開発した。」
とのこと。
↑ルイ・ロデレールFacebookより
確かに、ロデレールオリジナルのグラス写真を見ると、
丸みを帯びた卵型をしているのがわかります。
こうした大振りのグラスは、クリュッグやヴーヴ・クリコといった
大手メゾンでも次々と採用されているようです。
この動きはシャンパーニュのプロ達の間だけではありません。
今年1月5日に英デキャンター誌で発表された
「Farewell to Champagne flutes in 2016?」
(2016年はフルートのシャンパーニュとおさらば?)
というタイトルの記事の内容がかなり衝撃的です。
↓デキャンター誌の記事はこちら。
http://www.decanter.com/learn/farewell-to-champagne-flutes-in-2016-286743/
記事を執筆したのは、
フリーランスのワインライター、ワイン講師として
イギリスを拠点に活躍しているアンネ・クレビールさん。
数少ない女性のマスター・オブ・ワインの一人でもあります。
記事によると、彼女はこの1年間
「1度もフルートグラスに触れることがなかった。」というのです。
その代わりに、彼女がシャンパーニュやスパークリングワインを飲んだのは
白ワイン用グラスだったとか。
そしてこの白ワイン用グラスこそが「素敵な香りや味わいを楽しませてくれた。」とも。
記事では、ワイングラスの名門、リーデル社のCEOや
ソムリエ、そしてシャンパーニュの生産者にインタビューを重ね、
「フルートグラスが必要でなくなる」可能性について考察しています。
こちらは、シャンパーニュの老舗メゾン、ルイ・ロデレールの
醸造責任者、ジャン・バティスト・レカイヨン氏。
記事によると、レカイヨン氏曰く、
「シャンパーニュのポテンシャルを最大限引き出すために、
我々は白ワイン用のグラスをよく使っている。
また、約25年前には、フルートグラスよりも大きな
独自のチューリップグラスを開発した。」
とのこと。
↑ルイ・ロデレールFacebookより
確かに、ロデレールオリジナルのグラス写真を見ると、
丸みを帯びた卵型をしているのがわかります。
こうした大振りのグラスは、クリュッグやヴーヴ・クリコといった
大手メゾンでも次々と採用されているようです。
この動きはシャンパーニュのプロ達の間だけではありません。
最近ではリーデル社から全世界で発売されたグラスシリーズ、
ヴェリタスシリーズが大きな話題を呼びました。
↑リーデル社が一昨年発売したヴェリタスシリーズ。
左がシャンパーニュ用。右がロゼシャンパーニュ用。
こちらも丸みを帯びた卵型のシャンパーニュグラスで、
従来のフルートグラスとは大きく異なる形状。
ロゼシャンパーニュグラスに至っては、
ブルゴーニュのピノ・ノワール用のグラスと同じ
なんと容量が705㏄もある大きなボウル型です。
シャンパーニュの複雑なアロマを開かせるには、この形が最適なのだとか。
実際、筆者もリーデル社のセミナーに参加し、
このシャンパーニュグラスとフルートグラスの
味わいの感じ方の違いに驚きました。
丸みを帯びた卵型のグラスの方が、香りはより複雑に、
泡はよりやさしく、きめ細かく感じたのです。
一昔前までは主流だったクープ型のシャンパーニュグラスなんて、
最近全く見かけませんね。
(歴史あるホテルの宴会場で使用されているのを見てびっくりしたくらいです。)
記事では、
「フルートグラスの美点は、泡が綺麗に見えることと、こぼれにくいことくらい。」と
ばっさり切り捨てていますが、いかがでしょう?
フルートグラスは、クープ型のシャンパーニュグラスと同じように、
衰退の運命を辿るのでしょうか??
2016年、フルートグラスが絶滅するかどうかはわかりませんが、
「シャンパーニュ = フルートグラス」という固定観念を
一度捨ててみるのもいいかもしれません。
常識にとらわれずに色々なグラスを試してみることで、
2016年は、グラスとワインの関係に新たな発見があるかも(^^)
2016年1月6日水曜日
こんな本を待っていた!フランスで一番売れているワインの教科書
新年あけましておめでとうございます!
本年も、ワイン通信ブログをどうぞよろしくお願いいたします。
さっそくですが新年最初のブログは、昨年末に続いて本のご紹介です。
それがこちら。
ワインは楽しい!LE VINC'EST PAS SORCIER
/ オフェリー・ネマン (著) 、 ヤニス・ヴァルツィコス (イラスト)
河 清美 (翻訳)
定価 2,500円(本体) 発売元:パイ インターナショナル
フランスで大ベストセラーになった
「フランスで一番売れているワインの教科書」という本書。
昨年12月に発売されたばかりの新刊です。
ワインジャーナリストでありブロガーである著書のオフェリー・ネマンさんは、
2009年から、ル・モンド紙のウェブ版に
「Miss GlouGlou* (ミス・グルグル)」というペンネームでブログを掲載、
人気を博している方だそうです。
本書のとってもユニークなところが、
ソムリエの卵や旅好きの女の子といった
様々な経歴のフランス人が登場し、それぞれ
「テイスティングの心得を学ぼう」
「ワイン産地を訪ねる」
「ソムリエ見習いになる」
「ワインをセレクトする」
といった章について説明するという体裁をとっていること。
しかも、教本なのに
最初の章のタイトルが「ホームパーティーでワインを楽しむ」。
この辺りはさすがフランス人ですね(笑)
株式会社パイ インターナショナル プレスリリースより
ただこの章が大変面白く、
グラスの選び方から始まって、
お客様からワインをいただいた時のマナーや、
二日酔い対策、ワインがこぼれてしまった時の染み抜き対策まで、
とっても実用的でくすっと笑える提案が盛りだくさんです。
こんなことばかり書くと
ワイン初心者向けのライトな実用書かと思われるかもしれませんが、
そんなことはありません。
特に「テイスティングの心得を学ぼう」という章では、
「タンニン」の説明に1ページを割き、
また「口中香」についてもわかりやすいイラスト付きでしっかりと説明。
ワインラヴァーの方にとっても新たな発見がありそうです。
「最近ワインが好きかも。」
などと言っている知人にプレゼントすれば
ワインラヴァー仲間が増えそう(笑)
どんな方にも楽しく読んでいただけそうな、素敵な教本です。
2015年12月27日日曜日
ドメーヌ・ルフレーヴの醸造家が書いた、ビオディナミ・ワインの入門書
今年もあと少し。
週明けからはお休みに入られる方も多いかと思いますが
本日は、休暇中の読書におすすめの本をご紹介します。
ビオディナミ・ワイン 35のQ&A
/ アントワーヌ・ルプティ・ド・ラ・ビーニュ 著
星埜聡美 訳
立花峰夫 解説
定価(本体2,200円+税) 白水社
「ビオディナミ」という言葉は何となく知っているけど
実は詳しいところはよくわからない。
そんな方が多いのではないでしょうか。
中小規模の一部の生産者が取り組むものと
目されることが多かったビオディナミですが、
最近になって、ボルドーの格付け第1級シャトーのシャトー・ラトゥールが
近々ビオディナミ認証を目指していると発表。
シャトー・マルゴーも一部区画でビオディナミを実験中で
同じくマルゴーの3級、シャトー・パルメも、
2008年からビオディナミに取り組んでいるというニュースが話題になりました。
(5級のシャトー・ポンテ・カネは2010年に取得済み。)
また、シャンパーニュの大手、ルイ・ロデレールも
プレスティージュ・キュヴェのクリスタルについては、
3年後には全てビオディナミ栽培となると公表。
ボルドーの1級シャトーや大手シャンパーニュメゾンが取り組み始めたことで、
今後はさらに注目を集めそうです。
現在クリスタルに使われるピノ・ノワールは100%ビオディナミ。
シャルドネについては、3年後には全てビオディナミになるそうです。
さて、そんなビオディナミについて書かれた本書。
著書は、ブルゴーニュ最高峰の白ワイン生産者、ドメーヌ・ルフレーヴの醸造家である
アントワーヌ・ルプティ・ド・ラ・ヴィーニュ氏。
パリの理工科大学校を卒業後「ワインへの熱狂的な思いから」ワイン造りに進み、
農業学、醸造学を修めたという方です。
本書には、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの現当主、
オベール・ド・ヴィレーヌが「刊行によせて」という序文を書いています。
オベール氏が、
「アントワーヌ・ルプティ・ド・ラ・ビーニュほど、
ビオディナミの入門書を書くのに適した人はいません。~中略~
アントワーヌはワインに関係するさまざまな科学的知識を学んでいます。
この点では、ブドウやワインを学問的に研究する科学者にも引けを取りません。」
と語るように、豊富な知識を持つ著書だからこそ
ともすれば思想的、哲学的な部分が難解と思われがちなビオディナミの説明を、
ロジカルに、わかりやすく説明することに腐心していることが伺えます。
本書は、タイトルにあるように35のQ&Aから構成されており、
「ビオディナミ・ワインはおいしいのでしょうか?」
「ビオ(有機農法)とビオディナミはどこが違うのでしょうか?」
「ビオディナミ・ワインは身体に良いって本当?」
といった素朴な質問から始まって、
徐々にビオディナミの核心に迫っていきます。
巻末にある、立花氏による解説も非常に興味深く、
「肯定派の人には理論武装の糧となるし、
否定派の人には、敵の言説の穴を探すための見取り図になるだろう。
どんな立場の人にとっても、これは必読の書なのである。」
との言葉に納得。
来年以降も、ワイン界の大きな潮流になるに違いない「ビオディナミ」。
まずはこの入門書を読んで、その理解を深めておきませんか。
週明けからはお休みに入られる方も多いかと思いますが
本日は、休暇中の読書におすすめの本をご紹介します。
ビオディナミ・ワイン 35のQ&A
/ アントワーヌ・ルプティ・ド・ラ・ビーニュ 著
星埜聡美 訳
立花峰夫 解説
定価(本体2,200円+税) 白水社
「ビオディナミ」という言葉は何となく知っているけど
実は詳しいところはよくわからない。
そんな方が多いのではないでしょうか。
中小規模の一部の生産者が取り組むものと
目されることが多かったビオディナミですが、
最近になって、ボルドーの格付け第1級シャトーのシャトー・ラトゥールが
近々ビオディナミ認証を目指していると発表。
シャトー・マルゴーも一部区画でビオディナミを実験中で
同じくマルゴーの3級、シャトー・パルメも、
2008年からビオディナミに取り組んでいるというニュースが話題になりました。
(5級のシャトー・ポンテ・カネは2010年に取得済み。)
また、シャンパーニュの大手、ルイ・ロデレールも
プレスティージュ・キュヴェのクリスタルについては、
3年後には全てビオディナミ栽培となると公表。
ボルドーの1級シャトーや大手シャンパーニュメゾンが取り組み始めたことで、
今後はさらに注目を集めそうです。
現在クリスタルに使われるピノ・ノワールは100%ビオディナミ。
シャルドネについては、3年後には全てビオディナミになるそうです。
さて、そんなビオディナミについて書かれた本書。
著書は、ブルゴーニュ最高峰の白ワイン生産者、ドメーヌ・ルフレーヴの醸造家である
アントワーヌ・ルプティ・ド・ラ・ヴィーニュ氏。
パリの理工科大学校を卒業後「ワインへの熱狂的な思いから」ワイン造りに進み、
農業学、醸造学を修めたという方です。
本書には、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの現当主、
オベール・ド・ヴィレーヌが「刊行によせて」という序文を書いています。
オベール氏が、
「アントワーヌ・ルプティ・ド・ラ・ビーニュほど、
ビオディナミの入門書を書くのに適した人はいません。~中略~
アントワーヌはワインに関係するさまざまな科学的知識を学んでいます。
この点では、ブドウやワインを学問的に研究する科学者にも引けを取りません。」
と語るように、豊富な知識を持つ著書だからこそ
ともすれば思想的、哲学的な部分が難解と思われがちなビオディナミの説明を、
ロジカルに、わかりやすく説明することに腐心していることが伺えます。
本書は、タイトルにあるように35のQ&Aから構成されており、
「ビオディナミ・ワインはおいしいのでしょうか?」
「ビオ(有機農法)とビオディナミはどこが違うのでしょうか?」
「ビオディナミ・ワインは身体に良いって本当?」
といった素朴な質問から始まって、
徐々にビオディナミの核心に迫っていきます。
巻末にある、立花氏による解説も非常に興味深く、
「肯定派の人には理論武装の糧となるし、
否定派の人には、敵の言説の穴を探すための見取り図になるだろう。
どんな立場の人にとっても、これは必読の書なのである。」
との言葉に納得。
来年以降も、ワイン界の大きな潮流になるに違いない「ビオディナミ」。
まずはこの入門書を読んで、その理解を深めておきませんか。
2015年12月15日火曜日
シャトー・ラトゥールより、フレデリック・アンジェラ社長が来日!
メドックの格付第1級、シャトー・ラトゥールより、
オーナー・ファミリーのフローレンス・ロジェールさんと、
社長のフレデリック・アンジェラさんが来日。
それに合わせて開催したシャトー・ラトゥール・マスタークラスは、
プロフェッショナルの方を中心に70名のお客様で賑わいました。
↑社長のフレデリック・アンジェラさんと
オーナー・ファミリーのフローレンス・ロジェールさん。
ラトゥールの成功の秘訣は、まずは何と言ってもテロワール。
「ブルゴーニュでは、区画やアペラシオンごとにキャラクターが分かれています。
ボルドーでは一つのシャトーが管理する畑の面積が広いため、
そうした認識があまりありませんが、
シャトー・ラトゥールでは、ブルゴーニュのように区画ごとに管理しています。
畑ごとの区別化、理解が大切なのです」
とアンジェラさん。
特にシャトー・ラトゥールの畑で特徴的なのが、
ジロンド河にほど近い、47haの“ランクロ”と呼ばれる歴史的な畑。
「ランクロは素晴らしいキャパシティがある畑で、
いろんな気象条件に耐え得る力を持っており、
この畑のブドウがグラン・ヴァンにブレンドされます。
(一部はレ・フォール・ド・ラトゥールに使用)」
2007年からは、ランクロでは9頭の馬を飼い、
馬が畑を耕しているそうです。
シャトー・ラトゥールが手がけるのは、
シャトー・ラトゥール、セカンドのレ・フォール・ド・ラトゥール、
サードのポイヤック・ド・ラトゥールという3種類のワイン。
同じチームがこれらのワインを手がけています。
ちなみにラトゥールでは、飲み頃のヴィンテージをリリースしたいと考えており、
2012年ヴィンテージからプリムール販売を行っていません。
“飲み頃”へのこだわりは、
グラン・ヴァンのみならず、ポイヤック・ド・ラトゥールについても同様。
ポイヤック・ド・ラトゥールは、今年2011年をリリース。
その前の2010年ヴィンテージは、まだまだ若いと判断し、
再来年の2017年にリリース予定だとか。
シャトー・ラトゥールでは、サードワインですら、
7年間も熟成させて飲み頃を届けたい、との想いがあるのです。
最後の質疑応答で、
100年の歴史を誇る寿司屋の4代目ご主人の方から、
「モットーにしていることを教えてください」との質問が。
アンジェラさんは、
「チャレンジを恐れないこと。
ラトゥールのパーソナリティを考えつつ、
革新を恐れず、今だからできることをやりたい。
昔に遡るべきことと、今だからできることをミックスすることが大切です。」
と力強い口調で即答していただきました。
シャトー・ラトゥールでは来年にはビオ認証取得を検討しているとのことで、
これはメドック特級格付1級シャトーでは初の試み!
ただし、ランクロのみならずラトゥール全体で取得する必要があり、
大変難関ですが、挑戦中だそうです。
アンジェラさんは社長に就任した1998年の直後の
1999年から2003年までシャトーに大規模な設備工事を行い、
醸造蔵、熟成庫、ストックスペースの全改築を実施。
もともと偉大なテロワールを有しながらも細部にこだわり、
「さらに上を目指したい」と、様々な先鋭的な改革を行っています。
圧倒的な存在感を放つシャトー・ラトゥールの味わいの源泉が感じられるような、
熱い熱いひとときとなりました。
▼来日に合わせた蔵出しバックヴィンテージも続々入荷。
シャトー・ラトゥールの特集はこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=LAT
オーナー・ファミリーのフローレンス・ロジェールさんと、
社長のフレデリック・アンジェラさんが来日。
それに合わせて開催したシャトー・ラトゥール・マスタークラスは、
プロフェッショナルの方を中心に70名のお客様で賑わいました。
↑社長のフレデリック・アンジェラさんと
オーナー・ファミリーのフローレンス・ロジェールさん。
ラトゥールの成功の秘訣は、まずは何と言ってもテロワール。
「ブルゴーニュでは、区画やアペラシオンごとにキャラクターが分かれています。
ボルドーでは一つのシャトーが管理する畑の面積が広いため、
そうした認識があまりありませんが、
シャトー・ラトゥールでは、ブルゴーニュのように区画ごとに管理しています。
畑ごとの区別化、理解が大切なのです」
とアンジェラさん。
特にシャトー・ラトゥールの畑で特徴的なのが、
ジロンド河にほど近い、47haの“ランクロ”と呼ばれる歴史的な畑。
「ランクロは素晴らしいキャパシティがある畑で、
いろんな気象条件に耐え得る力を持っており、
この畑のブドウがグラン・ヴァンにブレンドされます。
(一部はレ・フォール・ド・ラトゥールに使用)」
2007年からは、ランクロでは9頭の馬を飼い、
馬が畑を耕しているそうです。
シャトー・ラトゥールが手がけるのは、
シャトー・ラトゥール、セカンドのレ・フォール・ド・ラトゥール、
サードのポイヤック・ド・ラトゥールという3種類のワイン。
同じチームがこれらのワインを手がけています。
ちなみにラトゥールでは、飲み頃のヴィンテージをリリースしたいと考えており、
2012年ヴィンテージからプリムール販売を行っていません。
“飲み頃”へのこだわりは、
グラン・ヴァンのみならず、ポイヤック・ド・ラトゥールについても同様。
ポイヤック・ド・ラトゥールは、今年2011年をリリース。
その前の2010年ヴィンテージは、まだまだ若いと判断し、
再来年の2017年にリリース予定だとか。
シャトー・ラトゥールでは、サードワインですら、
7年間も熟成させて飲み頃を届けたい、との想いがあるのです。
最後の質疑応答で、
100年の歴史を誇る寿司屋の4代目ご主人の方から、
「モットーにしていることを教えてください」との質問が。
アンジェラさんは、
「チャレンジを恐れないこと。
ラトゥールのパーソナリティを考えつつ、
革新を恐れず、今だからできることをやりたい。
昔に遡るべきことと、今だからできることをミックスすることが大切です。」
と力強い口調で即答していただきました。
シャトー・ラトゥールでは来年にはビオ認証取得を検討しているとのことで、
これはメドック特級格付1級シャトーでは初の試み!
ただし、ランクロのみならずラトゥール全体で取得する必要があり、
大変難関ですが、挑戦中だそうです。
アンジェラさんは社長に就任した1998年の直後の
1999年から2003年までシャトーに大規模な設備工事を行い、
醸造蔵、熟成庫、ストックスペースの全改築を実施。
もともと偉大なテロワールを有しながらも細部にこだわり、
「さらに上を目指したい」と、様々な先鋭的な改革を行っています。
圧倒的な存在感を放つシャトー・ラトゥールの味わいの源泉が感じられるような、
熱い熱いひとときとなりました。
▼来日に合わせた蔵出しバックヴィンテージも続々入荷。
シャトー・ラトゥールの特集はこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=LAT
2015年12月10日木曜日
チリワインのパイオニア、モンテス社来日!
先日、チリのモンテス社より、
輸出部長のエドアルド・スターク氏が来日。
モンテス社の新しい取り組みなどについて、インタビューを行いました。
実は今年は、日本におけるチリワインの輸入量が、
長年不動の首位を守っていたフランスを抜いて1位になりそうという
ニュースが話題になっています。
チリワインの大躍進について聞いてみたところ、
「チリワインのスタイルは、
旧世界のワインと、新世界の中でもオーストラリアワインの中間。
旧世界にはないフルーティーさがありながら、オーストラリアほどへヴィではない、
果実のおいしさを前面に出したスタイルが、世界で支持されていると思います。」
先日行われたデキャンタ・ワインアワード※特集はこちら でも
審査では「よりエレガントでブドウの果実味を素直に表現したワイン」が
最近のトレンドになっているというお話がありました。
モンテスでもそういったトレンドを意識するようになったのでしょうか?
「もちろん。最近では木樽の使用は最小限にして、
ブドウの Purity=純粋さ を生かした造りにシフトしている。
女性と同じ。元がいいブドウは、厚化粧しないほうがいいでしょう?
日本のお客様で20年来モンテスのワインを愛用してくれている方から
最近のモンテスのワインはエレガントになってきた、
とお褒めの言葉を頂いたんですよ。」
とエドアルドさん。
最近何かと話題になっている地球温暖化について尋ねると、
モンテスでは、「ドライファーミング」という方法に
取り組んでいるとの答えが返ってきました。
チリでは、地球温暖化によってアンデス山脈の氷が溶け、
年々降雨量が減少しているそうです。
毎日アンデス山脈を観察していたアウレリオ・モンテス氏は
そのことにいち早く気づき、水が少ない環境でブドウがどのように育つのか、
調査と実験を行うことにしました。
灌漑設備を使って、70%、50%、20%、0% と、
畑に水を与える量を変えて実験したところ、驚くべき結果となりました。
0%の区画については、初年度は全く実を付けませんでした。
ところが、2年目以降は、小さいながらも
凝縮した風味をもつブドウの房が実るようになり、
この灌漑0%のブドウが最も高い品質のワインを生み出すことがわかったのです。
もちろん、ブドウの樹が死んでしまわないように最低限の水は与えるそうです。
この0%の灌漑によって、ブドウの樹は水が少ない状態に適応し、
根をしっかりと地中に張って強くなる。
水を与えるのではなく、
水がなくても生きていける強いブドウを育てるという発想です。
↑左がドライファーミングのブドウ。造られるワインの量は通常の約半分。
このドライファーミングを本格的に導入したのが2012年ヴィンテージ。
ブドウの房の大きさは通常の半分のため、皮の比率が高く
それによって十分エキス分が抽出でき、ルモンタージュの必要がなくなり
ワインの味わいはよりエレガントになったそうです。
また、ドライファーミングによって、
それまで灌漑に使用していた水の60%を削減。
チリで2万人の人々が使用する量を節水することに成功したそうです。
このドライファーミングの導入について、チリでは
ドライファーミングは、雨の多いフランスでやるもの。
チリでやるなんて信じられない!と言う反応が大半だったとか。
いいブドウは獲れるけれど、収量は約半分になるため
導入しているワイナリーはほとんどありません。
サスティナビリティ(持続可能な農業)を目指しているモンテスにとって
高品質なワインを造りながら、大切な資源である水を守ることはとても重要なこと。
さすが、チリワイン界のパイオニアであり
今も最先端を走り続けるワイナリーならでは。
創業して20数年という比較的歴史の浅いモンテス社ですが、
着々と次世代への取り組みは進んでいるようです。
輸出部長のエドアルド・スターク氏が来日。
モンテス社の新しい取り組みなどについて、インタビューを行いました。
実は今年は、日本におけるチリワインの輸入量が、
長年不動の首位を守っていたフランスを抜いて1位になりそうという
ニュースが話題になっています。
チリワインの大躍進について聞いてみたところ、
「チリワインのスタイルは、
旧世界のワインと、新世界の中でもオーストラリアワインの中間。
旧世界にはないフルーティーさがありながら、オーストラリアほどへヴィではない、
果実のおいしさを前面に出したスタイルが、世界で支持されていると思います。」
先日行われたデキャンタ・ワインアワード※特集はこちら でも
審査では「よりエレガントでブドウの果実味を素直に表現したワイン」が
最近のトレンドになっているというお話がありました。
モンテスでもそういったトレンドを意識するようになったのでしょうか?
「もちろん。最近では木樽の使用は最小限にして、
ブドウの Purity=純粋さ を生かした造りにシフトしている。
女性と同じ。元がいいブドウは、厚化粧しないほうがいいでしょう?
日本のお客様で20年来モンテスのワインを愛用してくれている方から
最近のモンテスのワインはエレガントになってきた、
とお褒めの言葉を頂いたんですよ。」
とエドアルドさん。
最近何かと話題になっている地球温暖化について尋ねると、
モンテスでは、「ドライファーミング」という方法に
取り組んでいるとの答えが返ってきました。
チリでは、地球温暖化によってアンデス山脈の氷が溶け、
年々降雨量が減少しているそうです。
毎日アンデス山脈を観察していたアウレリオ・モンテス氏は
そのことにいち早く気づき、水が少ない環境でブドウがどのように育つのか、
調査と実験を行うことにしました。
灌漑設備を使って、70%、50%、20%、0% と、
畑に水を与える量を変えて実験したところ、驚くべき結果となりました。
0%の区画については、初年度は全く実を付けませんでした。
ところが、2年目以降は、小さいながらも
凝縮した風味をもつブドウの房が実るようになり、
この灌漑0%のブドウが最も高い品質のワインを生み出すことがわかったのです。
もちろん、ブドウの樹が死んでしまわないように最低限の水は与えるそうです。
この0%の灌漑によって、ブドウの樹は水が少ない状態に適応し、
根をしっかりと地中に張って強くなる。
水を与えるのではなく、
水がなくても生きていける強いブドウを育てるという発想です。
↑左がドライファーミングのブドウ。造られるワインの量は通常の約半分。
このドライファーミングを本格的に導入したのが2012年ヴィンテージ。
ブドウの房の大きさは通常の半分のため、皮の比率が高く
それによって十分エキス分が抽出でき、ルモンタージュの必要がなくなり
ワインの味わいはよりエレガントになったそうです。
また、ドライファーミングによって、
それまで灌漑に使用していた水の60%を削減。
チリで2万人の人々が使用する量を節水することに成功したそうです。
このドライファーミングの導入について、チリでは
ドライファーミングは、雨の多いフランスでやるもの。
チリでやるなんて信じられない!と言う反応が大半だったとか。
いいブドウは獲れるけれど、収量は約半分になるため
導入しているワイナリーはほとんどありません。
サスティナビリティ(持続可能な農業)を目指しているモンテスにとって
高品質なワインを造りながら、大切な資源である水を守ることはとても重要なこと。
さすが、チリワイン界のパイオニアであり
今も最先端を走り続けるワイナリーならでは。
創業して20数年という比較的歴史の浅いモンテス社ですが、
着々と次世代への取り組みは進んでいるようです。
2015年12月3日木曜日
未来を見据えるイタリアワインの帝王「ガヤ」より、ガヤ・ガヤさんが来日!
イタリアのソムリエのバイブルと言われる
イタリアワイン専門誌「ガンベロ・ロッソ」。
そのなかでトレ・ビッキエリ(最高賞)獲得数がナンバーワン、
文字どおりイタリア最高峰のワイナリーが「ガヤ」です。
先日、ワイナリーから4代目当主アンジェロ・ガヤ氏の長女、ガヤ・ガヤさんが来日。
プロフェッショナルセミナーで、
ガヤの歴史について、ワイン造りについて詳しくお話いただきました。
↑左から、ガヤさんの弟、ジョバンニさん、
通訳を担当されたワインジャーナリストの宮嶋勲さん、ガヤ・ガヤさん。
セミナーの中でも特に印象的だったのが、
現在パリで開催中のCOP21でも話題になっている温暖化について。
「ワインを造っていると、気候の変化に敏感になります。」
とガヤ・ガヤさん。
明らかに、気候が変わってきたことに気付くそうです。
「昔のように冬が寒くならず、そのため害虫も死にません。
温暖化と共に病害も出てきました。」
その他、収穫時期が早くなる、ブドウの糖度が上がる、などの変化もあるとのこと。
そこでガヤは、温暖化に対して様々な対策をとっています。
「まずは初めに取り組んだのは、たい肥を変えること。
イキイキとした土壌を保つため、自分たちでたい肥を作るようにしました。」
そして2つめに行ったのは、外部コンサルタントを初めて雇ったこと。
それまでガヤではコンサルタントを雇っていませんでしたが、
2000年から取り入れるようになりました。
「醸造や栽培のコンサルタントではなくて“植物学者”です。
ブドウの樹からいろんなことを読み取ることを教えてもらっています。」
↑植物学者が、ブドウの生育や病害虫への対策をアドバイス。
そして3つめに実践したことは、
ランゲ地方固有の雑草を選んでガヤの畑に植えたこと。
「ブドウの何畝かを犠牲にしても、植物を植えるようにしました。
環境にいちばん敏感と言われるミツバチの巣箱も置き、
ブドウ畑のみならず、周囲の環境も含めて注意を払うようにしています。」
こうした取り組みによってワインが美味しくなるとは限らない、とガヤ・ガヤさん。
「我々には長期的なビジョンが必要です。
もっと広い視野でのワイン造りをしなければなりません。
そして、確実に成果は出てきていると思います。」
「映画にもなった小説『山猫』にある、
“すべてが今のままであろうとするなら、すべてを変えなければダメだ”
というセリフのとおりです。
いろいろと自分たちで試しながら、前に進んでいきます!」
未来を見据えて、ブドウ畑の環境作りに取り組んでいるガヤ。
父アンジェロさんを彷彿とさせる、
ガヤ・ガヤさんの力強い言葉が印象的でした。
現在は、ガヤさんの妹、ロッサーナさんもワイン造りに参画。
今回一緒に来日した弟のジョヴァンニさんは大学を卒業したばかりですが
大学院進学の後、ワイン造りに参加するそうです。
帝王の座に甘んじることなく、先鋭的な取り組みを行っているガヤ。
ガヤさんたち新世代の活躍から目が離せません!
イタリアワイン専門誌「ガンベロ・ロッソ」。
そのなかでトレ・ビッキエリ(最高賞)獲得数がナンバーワン、
文字どおりイタリア最高峰のワイナリーが「ガヤ」です。
先日、ワイナリーから4代目当主アンジェロ・ガヤ氏の長女、ガヤ・ガヤさんが来日。
プロフェッショナルセミナーで、
ガヤの歴史について、ワイン造りについて詳しくお話いただきました。
↑左から、ガヤさんの弟、ジョバンニさん、
通訳を担当されたワインジャーナリストの宮嶋勲さん、ガヤ・ガヤさん。
セミナーの中でも特に印象的だったのが、
現在パリで開催中のCOP21でも話題になっている温暖化について。
「ワインを造っていると、気候の変化に敏感になります。」
とガヤ・ガヤさん。
明らかに、気候が変わってきたことに気付くそうです。
「昔のように冬が寒くならず、そのため害虫も死にません。
温暖化と共に病害も出てきました。」
その他、収穫時期が早くなる、ブドウの糖度が上がる、などの変化もあるとのこと。
そこでガヤは、温暖化に対して様々な対策をとっています。
「まずは初めに取り組んだのは、たい肥を変えること。
イキイキとした土壌を保つため、自分たちでたい肥を作るようにしました。」
そして2つめに行ったのは、外部コンサルタントを初めて雇ったこと。
それまでガヤではコンサルタントを雇っていませんでしたが、
2000年から取り入れるようになりました。
「醸造や栽培のコンサルタントではなくて“植物学者”です。
ブドウの樹からいろんなことを読み取ることを教えてもらっています。」
↑植物学者が、ブドウの生育や病害虫への対策をアドバイス。
そして3つめに実践したことは、
ランゲ地方固有の雑草を選んでガヤの畑に植えたこと。
「ブドウの何畝かを犠牲にしても、植物を植えるようにしました。
環境にいちばん敏感と言われるミツバチの巣箱も置き、
ブドウ畑のみならず、周囲の環境も含めて注意を払うようにしています。」
こうした取り組みによってワインが美味しくなるとは限らない、とガヤ・ガヤさん。
「我々には長期的なビジョンが必要です。
もっと広い視野でのワイン造りをしなければなりません。
そして、確実に成果は出てきていると思います。」
「映画にもなった小説『山猫』にある、
“すべてが今のままであろうとするなら、すべてを変えなければダメだ”
というセリフのとおりです。
いろいろと自分たちで試しながら、前に進んでいきます!」
未来を見据えて、ブドウ畑の環境作りに取り組んでいるガヤ。
父アンジェロさんを彷彿とさせる、
ガヤ・ガヤさんの力強い言葉が印象的でした。
現在は、ガヤさんの妹、ロッサーナさんもワイン造りに参画。
今回一緒に来日した弟のジョヴァンニさんは大学を卒業したばかりですが
大学院進学の後、ワイン造りに参加するそうです。
帝王の座に甘んじることなく、先鋭的な取り組みを行っているガヤ。
ガヤさんたち新世代の活躍から目が離せません!
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