2016年1月17日日曜日

2016年 フルートグラス絶滅の危機!?

ちょっと大げさなタイトルですが
今年1月5日に英デキャンター誌で発表された
「Farewell to Champagne flutes in 2016?」
(2016年はフルートのシャンパーニュとおさらば?)
というタイトルの記事の内容がかなり衝撃的です。

↓デキャンター誌の記事はこちら。
http://www.decanter.com/learn/farewell-to-champagne-flutes-in-2016-286743/

記事を執筆したのは、
フリーランスのワインライター、ワイン講師として
イギリスを拠点に活躍しているアンネ・クレビールさん。
数少ない女性のマスター・オブ・ワインの一人でもあります。

記事によると、彼女はこの1年間
「1度もフルートグラスに触れることがなかった。」というのです。
その代わりに、彼女がシャンパーニュやスパークリングワインを飲んだのは
白ワイン用グラスだったとか。
そしてこの白ワイン用グラスこそが「素敵な香りや味わいを楽しませてくれた。」とも。





記事では、ワイングラスの名門、リーデル社のCEOや
ソムリエ、そしてシャンパーニュの生産者にインタビューを重ね、
「フルートグラスが必要でなくなる」可能性について考察しています。
 














こちらは、シャンパーニュの老舗メゾン、ルイ・ロデレールの
醸造責任者、ジャン・バティスト・レカイヨン氏。
記事によると、レカイヨン氏曰く、

「シャンパーニュのポテンシャルを最大限引き出すために、
我々は白ワイン用のグラスをよく使っている。
また、約25年前には、フルートグラスよりも大きな
独自のチューリップグラスを開発した。」

とのこと。















↑ルイ・ロデレールFacebookより

確かに、ロデレールオリジナルのグラス写真を見ると、
丸みを帯びた卵型をしているのがわかります。
こうした大振りのグラスは、クリュッグやヴーヴ・クリコといった
大手メゾンでも次々と採用されているようです。

この動きはシャンパーニュのプロ達の間だけではありません。
最近ではリーデル社から全世界で発売されたグラスシリーズ、
ヴェリタスシリーズが大きな話題を呼びました。
 
 
↑リーデル社が一昨年発売したヴェリタスシリーズ。
 左がシャンパーニュ用。右がロゼシャンパーニュ用。
 
こちらも丸みを帯びた卵型のシャンパーニュグラスで、
従来のフルートグラスとは大きく異なる形状。
ロゼシャンパーニュグラスに至っては、
ブルゴーニュのピノ・ノワール用のグラスと同じ
なんと容量が705㏄もある大きなボウル型です。
 
シャンパーニュの複雑なアロマを開かせるには、この形が最適なのだとか。
 
実際、筆者もリーデル社のセミナーに参加し、
このシャンパーニュグラスとフルートグラスの
味わいの感じ方の違いに驚きました。
丸みを帯びた卵型のグラスの方が、香りはより複雑に、
泡はよりやさしく、きめ細かく感じたのです。
 
 
 
一昔前までは主流だったクープ型のシャンパーニュグラスなんて、
最近全く見かけませんね。
(歴史あるホテルの宴会場で使用されているのを見てびっくりしたくらいです。)
 
記事では、
「フルートグラスの美点は、泡が綺麗に見えることと、こぼれにくいことくらい。」と
ばっさり切り捨てていますが、いかがでしょう?
フルートグラスは、クープ型のシャンパーニュグラスと同じように、
衰退の運命を辿るのでしょうか??
 
2016年、フルートグラスが絶滅するかどうかはわかりませんが、
「シャンパーニュ = フルートグラス」という固定観念を
一度捨ててみるのもいいかもしれません。
 
常識にとらわれずに色々なグラスを試してみることで、
2016年は、グラスとワインの関係に新たな発見があるかも(^^)
 
 

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