イタリアでボルドー品種を育てて成功し
スーパータスカンブームを巻き起こした伝説の銘柄です。
実はそのサッシカイアのファミリーが
アルゼンチンでピノ・ノワールを造っているのをご存知でしょうか。
先日、そのワイナリー、ボデガ・チャクラより
ピエロ氏は、イタリア、サッシカイアの創始者兼オーナーである
マルケーゼ・マリオ・インチーザ・ロケッタの孫にあたる人物。
幼少期をイタリア・トスカーナのマレンマにあるワイナリーで過ごしました。
スイスの名門校を卒業した後は、
銀行での短期間の勤務を経て、カリフォルニアで経済学を修め、
その後2003年にはニューヨーク大学で修士号を取得します。
幼いころから「ワイン生産者になる。」という夢があったというピエロ氏が
ニューヨークで行われたワインスペクテーターの試飲会で運命的に出会ったのが、
アルゼンチン・パタゴニア産のピノ・ノワールでした。
その試飲会場では、無数のピノ・ノワールが出品されており
ブラインドでテイスティングを行っていたそうですが
その時に飲んだパタゴニアのピノ・ノワールに衝撃を受け、
「このワインを造りたい!」と思ったそうです。
早速実行に移し、パタゴニアにある土地を購入し
ボデガ・チャクラを創設したのが2004年。
そこは、1932年に植樹された古樹のピノ・ノワールがある
大変ユニークな土地でした。
↑馬で耕される畑
チャクラがあパタゴニアのリオ・ネグロは
アンデス山脈と大西洋の中間あたりに位置。
非常に乾燥した気候が特徴で、四季がはっきりしています。
ピエロ氏は、世界に通用するピノ・ノワールを造るために、
有機農法とビオディナミを実施。
限りなく自然な醸造を行うことで、
現在では稀有な存在である、
接ぎ木を行っていない自根のピノ・ノワールならではの
ピュアで複雑性のある繊細な味わいを生かしたワイン造りを行っています。
↑近代的なワイナリー。グラヴィディティシステムを採用。
実はピエロ氏は、ブルゴーニュワインの熱狂的な愛好家。
好きな造り手は、ルソー、ルーミエ、デュジュックらだそう。
毎年ブルゴーニュに行って、生産者との交流を通じて
ワインを研究しているそうです。
チャクラのワイン造りに関しては、
「リオ・ネグロならではのテロワールを表現したい。」
と熱く語ってくださったのが印象的でした。
1年の1/3はアルゼンチン、1/3はニューヨーク、1/3はイタリアで過ごすというピエロ氏。
今後イタリアなど、他の土地でワインを造る予定は?との質問に
「No!!!」(←強く)
「I have to focus one thing!」
(私は一つのことに注力するべきなんだ!)
ときっぱりと否定されてしまいました。
自分は農家であり(とても農家には見えないほど洗練されていますが・・)
リオ・ネグロのテロワールを表現すること
ピュアな表現をし続けることに注力していきたい、とのことです。
イタリアでカベルネ主体のサッシカイアを造るファミリーとは
全くの別天地でピノ・ノワールを造り続けるピエロ氏。
今後の活躍がますます楽しみです♪