2014年8月26日火曜日

追悼~バロン・フィリップ社オーナー、フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人~

シャトー・ムートン・ロスチャイルドを筆頭に、
オーパス・ワン、アルマヴィーヴァ、といったジョイントヴェンチャー、
そしてムートン・カデに代表されるブランドワインで世界中のワインファンを魅了している
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社のオーナー、
フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人が822日、パリにて他界されました。

フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人は、
シャトー・ムートン・ロスチャイルドを1973年に1級に昇格させた
フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵の一人娘として1933年に生まれ、
1988年の男爵死去により、その経営を継承し事業を拡大したことで知られています。



---------------フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人の略歴---------------------------
フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人は、1933年生まれ。
フィリップ・パスカルの名で舞台女優として、30年近く活躍した後、
父の死去に伴って1988年にバロン・フィリップ社の経営を継承。

父が始めた、カリフォルニアのオーパスワン、
チリのアルマヴィーヴァなどの国際展開を発展させる一方で、
1998年には、ドメーヌ・ド・バロナークとのジョイントヴェンチャーをスタート。
さらに2009年には、3つのロスチャイルド家によるシャンパーニュ事業に参入。

また、本家ムートンの品質向上にも力を入れ、
選果を強化し、グランヴァン比率を40%まで落とすと同時に、
セカンドワインのプティ・ムートンを1990年代初頭に導入。
醸造施設も2013年に大々的に刷新。
ムートンのアーティスト・ラベルの人選もすべてフィリピーヌ男爵夫人が行い、
芸術的センスと人脈を生かして、多彩な芸術家を起用。

重要事項はすべてフィリピーヌ男爵夫人が決定するというリーダーシップを持ち、
常に新しいことを目指し、これまでワイン業界に多大なる影響を与えてきた偉大なる人物。

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近年、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社の経営は
長男のフィリップ・セレイ・ド・ロスチャイルド氏(1963年生まれ)が
中心に行っており、次男ジュリアン(1971年生まれ)も参画し、
ますますの発展を目指しています。

フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


【シャトー・ムートン・ロスチャイルド】

【オーパス・ワン】

【アルマヴィーヴァ】

【シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド】

【バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドのワイン】




2014年8月22日金曜日

シレーニのワインメーカーが来日!

日本での売り上げトップのニュージーランドワイナリー、シレーニ
そのワインメーカーであるグラント・エドモンズ氏が久しぶりに来日中。
先日エノテカスタッフ向けにセミナーがありました。






















↑グラント・エドモンズ氏。

グラント氏は世界中でワインの修行をしていますが、
中でもボルドーのサンテミリオンのシャトーでは
メルロの栽培、醸造をしっかりと学んだそうです。
そう、彼の別名は「ミスター・メルロ」。
ニュージーランドでメルロを造らせたら彼の右に出る者はいません。

もともとシレーニのワイナリーがある北島のホークス・ベイは、
ソーヴィニヨン・ブランで有名な南島のマルボロと比べ、
温暖で、ボルドー系品種の栽培に適しているといわれています。

さらに、シレーニのメルロが植えられている畑は、
主に粘土質と石灰質がミックスされている土壌。
ボルドーのポムロルやサンテミリオンといった名産地がそうであるように、
メルロの栽培に最適とされる土壌です。

グラント氏曰く、シレーニでは、
「ボルドーをはじめとするヨーロッパの骨格のあるワイン」と
「ニューワールドらしい果実味豊かなワイン」
の融合を目指してワイン造りをしているそうです。

なるほど。シレーニのメルロを飲むと、
そのコンセプトがよく分かります。


















ここで試飲したワインの中でもグラント氏一押しのワインをご紹介。

エステート・セレクション・ザ・ロッジ・シャルドネ 2013年 2,800円(3,024円)
http://www.enoteca.co.jp/item/detail/0986300423B3

>グラント氏
「1万円近く出してブルゴーニュのプルミエ・クリュを飲むより、
 3千円のこのシャルドネを飲もう!」

豊かな果実味の中にも凛とした酸味とナッツのようなコク。
確かに、上級ブルゴーニュを思わせる高級感溢れる味わいです。

②エクセプショナル・ヴィンテージ・メルロ 2007年 10,000円(10,800円)

>グラント氏
「ペトリュスの香りがする!!」

グラントさん、ちょっと言い過ぎじゃ。。。と思ってしまいますが、
エノテカスタッフのソムリエの一人も、
「確かにペトリュスに特有のトリュフのような香りがする!」
と大興奮。

こちらの商品、完全数量限定品ですが、
近日中にエノテカ・オンラインに入荷予定です。お楽しみに。

そして、明日ワンショップ・エノテカで開催されるシレーニのイベントでは、
特別に供されることになっています。

残席僅かですが、まだお申し込み受付中です。
ご興味のある方は是非広尾本店へお問い合わせください。
↓↓↓
■ワインショップ広尾店 シレーニ・スペシャルテイスティングパーティー
[ 開催日時 ] 2014年8月23日(土) 13:00〜14:30(終了予定)
[ 開催場所 ] ワインショップ・エノテカ 広尾本店  TEL: 03-3280-3634  
 E-MAIL:Hiroo_shop@enoteca.co.jp


2014年8月14日木曜日

今年のボジョレーの出来やいかに?

エノテカ・オンラインでも先行予約が始まったボジョレー・ヌーヴォー。

ワインラヴァーにとっては今年のブドウの出来が気になる頃ですね。

そんな皆様に、先月、ボジョレーワイン委員会より発表された、
最新のボジョレー・ヌーヴォーのレポートをご紹介します。

“2014年はすばらしいヴィンテージになる兆候が見られる。ボージョレーにおける、
すべての要素がよいサインを示している。
本日、畑の衛生状態は申し分なく、天候状態も良好だ。”
2014年7月2日付 ボージョレーワイン委員会プレスリリースより

何とも期待が持てそうな序文ですが、果たしてそうでしょうか?

                                


詳しいレポートによると、
今年は6月頃から気温が高い日が続き、6月2日に開花を迎え、
早いところでは、7月初旬に結実が始まっているそうです。

昨年2013年は、例年と比べて開花が遅く、6月19日頃、
結実が始まったのは7月26日頃だったようなので、
今年は1ヵ月近く結実が早まっているということになりますね。

結実が早い、つまり早く実がなるということは、
それだけ実がじっくり熟すことができるということ。
ブドウが完璧に熟して、
美味しいワインが出来る条件が揃っているということになります!
















↑これは着色前のガメイ。7月~8月にかけて色づきはじめます。


ボジョレー委員会からは、9月の収穫後にまたレポートが発表される予定です。
今年のボジョレーの出来が楽しみですね♪


▼2014年ボジョレーのご予約はコチラから▼
http://www.enoteca.co.jp/bjn/index.html











2014年8月3日日曜日

イタリアワイン好きは必見! 日本語版「ガンベロ・ロッソ イタリアワインガイド2014」

イタリアワイン好きの皆さんに朗報です。


イタリアで最も権威あるワイン誌 「ガンベロ・ロッソ ヴィニ・ディタリア」の
日本語が遂に刊行されました!


















ガンベロ・ロッソ イタリアワインガイド2014
(講談社MOOK)/講談社 


実はこのガイドブックは、約30年の歴史があり、
すでに英語、ドイツ語、そして中国語版まで発行されていながら、
なぜか日本語版は存在しませんでした。
今回、ファン待望の日本語版の刊行と言えます。

さらに、翻訳をしているのは、こちらもイタリアワイン好きなら知らぬ人はいない、
宮嶋 勲氏なのです。宮嶋氏は、ローマの新聞社に務めた後、
2004年からエスプレッソ・イタリアワインガイドの試飲スタッフ、
2006年からガンベロ・ロッソ・レストランガイドの執筆スタッフを務めている
という生粋のイタリア通。







エノテカでも、ガヤやカステッロ・ディ・アマといった
イタリアワイン生産者の大御所が来日する際は、
必ず「宮嶋氏を一緒に!」とラブコールが来るほど、
生産者からの信頼も厚い同氏。

ワインに精通した宮嶋氏の翻訳に期待が高まります。

さて、ガンベロ・ロッソについておさらいしてみると、
毎年編成されるワイン専門家約60名がチームを組み、
数か月をかけてイタリア中のワイン産地、数千のワイナリーを回り、
45,000以上のサンプルをブラインドで試飲し、掲載するワインを選考。
その中で取り上げられるのは、2,360のワイナリーと20,000種以上のワイン・・・

という何とも気が遠くりそうな徹底した方法で作られている、
世界でも稀なガイドブックなのです。

試飲されたワインはグラスの数(13)で評価され、
最高評価のトレ・ビッキエリ(3グラス)には約300~400種のワインが選ばれます。

また、このトレビッキエリをたくさん獲得しているワイナリーは、
★付きの優良生産者として、巻頭で紹介されています。

↓★付きのワイナリー
トレ・ビッキエリを10回獲得すると星が一つ与えられます。  
ダントツのトップ5つ星は、イタリアワインの帝王、ガヤだけ。
























日本語版の良いところは、
各ワイナリー紹介に添えられた、詳細な説明がしっかり読めるということ。

毎年編成されるチームが「実際にワイナリーを訪問して試飲」しているというだけあって、
生産者のコメント、土地やヴィンテージに関する記述は、簡素ながらも
本当に臨場感に溢れていて、リアリティがあります。

例えば、ヴェネトのアレグリーニについてのコメントを抜粋すると、

~近年植樹された畑は垣根式であるが、古い畑には今でもペルゴラ仕立てのものもある。
今年もアマローネ2009が最も説得力のあるワインだった。~中略~
ラ・ポイア2009も絶好調だ。コルヴィーナ100%のワインで、
例年よりも閉じていて、シャープな味わいだ。~

経験のあるスタッフが毎年ワイナリーに足を運んでいるからこそできる
そんなコメントが並んでいます。

思えば、ワインの品ぞろえがいいなあと感じるイタリアンレストランに行くと、
必ず棚に飾ってあったのがこのヴィニ・ディタリアのワインガイド。

これだけ詳しくイタリアワインの最新情報が掲載されているのですから、
ソムリエの支持が厚いのもうなずけます。 

もちろん評価を参考にするのもいいですが、
ぱらぱらとページをめくっているだけでも、
各ワイナリーに添えられた、
ワイン好きのツボを押さえたコメントがたまりません。

イタリアワイン好きの方は必見ですよ!


★★★★★ガンベロロッソ5つ星生産者、ガヤのワインはこちら↓

http://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=P5