「チリワインの垂直9ヴィンテージテイスティング」
垂直とは、同じ銘柄のワインを年代違いで飲み比べること。
「ボルドーやブルゴーニュワインならともかく、チリワインで!?」
と、ワイン好きの方ならびっくりしそうなテイスティングが
先日、アンダーズ東京で行われました。
行われたのは、
「エスクード・ロホ スペシャルテイスティングセミナー」。
このような垂直テイスティングは初めての試み、ということで、
会場には、ソムリエ、バイヤー、ワインジャーナリストなど
ワインのプロフェッショナルが大勢来場されました。
エスクード・ロホは、
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリが手掛けるトップキュヴェ。
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリは、
フランス、ボルドーのシャトー・ムートン・ロスチャイルドを有する
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドが
1979年にカリフォルニアで始めたオーパス・ワン、
1997年にチリで始めたアルマヴィーヴァに続いて、
2003年に、チリのマイポ・ヴァレーに設立したワイナリーです。
↑ 2003年に設立したバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリ
写真右は、故バロネス・フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人
「エスクード・ロホ」とは、スペイン語で「赤い盾」を意味し
これは「ロスチャイルド=赤い盾」と同義。
ロスチャイルド家の名を冠した、初のワインだったそうです。
↑ワインの解説を行うエマニュエル・リフォー氏
今回セミナーでエスクード・ロホについて語ってくださったのは
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリの社長兼ワインメーカーの
エマニュエル・リフォー氏。
フランス生まれのエマニュエル氏は、
ボルドーでワイン醸造学、土壌学を学んだ後、
シャトー・フェラン・セギュールでアシスタントワインメーカーを務め、
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社に入社。
ムートン・カデやシャトー・ムートンのワイン造りに携わった後
2004年からチリでのワイン造りを担っています。
エスクード・ロホに使われるブドウが栽培されているのは、
主にマイポ・ヴァレー。
砂利が多い土壌は、フランスのボルドーやコート・ロティに似ており
そのためカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーといったブドウ品種が
植えられています。
エスクード・ロホは、ボルドーの伝統的なシャトーコンセプトで造られます。
シャトー・ムートンやアルマヴィーヴァと同様に、
ブドウは全て手摘み、10㎏の小さなバスケットに入れてワイナリーに運ばれ、
選果は「ダブルセレクション」。
除梗前に1度、さらに除梗後に1度、合計2回、人の手によって丁寧に行われます。
ブドウは最新鋭の設備で醸造され、
さらに、ボルドー仕込みの洗練されたアッサンブラージュによって
ワインが完成します。
早速テイスティングが始まりました。
ワインは全てエスクード・ロホ。
2006年から最新の2014年まで、9ヴィンテージがずらり勢揃いしました。
熟成によってやわらかく芳醇な味わいに変化していた2006年から
パワフルな2013年まで、全く異なる個性に驚きましたが、
特に印象的だった2つのヴィンテージをご紹介します。
2008年 エスクード・ロホ・ヴィンテージ・コレクション
3,000円(3,240円 税込)
こちらは8年の熟成を経たボトル。
2008年のチリは、過去40年間で最も冷涼かつ乾燥した冬、
そして熱く乾燥した夏、という厳しい気候だったそうです。
ワインは例年以上にエレガントに仕上がっており、
果実の香りに加え、
清涼感のあるハーブのようなニュアンスが感じられます。
エマニュエルさん曰く
「まるでボルドー・ポイヤックのワイン!」
確かに、とてもエレガントかつ優美な味わいは、
ボルドーワインと見まがうほど。
今まさに飲み頃を迎え始めた2008年。
チリワインにありがちな甘い果実味とは無縁の
クラシカルなボルドースタイルで、
チリワインが苦手なボルドーワインラヴァーにこそ
一度試していただきたい!そう思わせる1本でした。
もう一つが2012年。
2012年 エスクード・ロホ
2,500 円 (2,700 円 税込)
カベルネ・ソーヴィニヨン39%、カルメネール35%、
シラー24%、カベルネ・フラン2%というブレンド。
2012年は非常に乾燥し、
地中海的な気候が大半を占めたヴィンテージ。
ブドウは理想的な成熟を迎えました。
こちらは2008年と違って
チリワインらしいパワフルな凝縮感があり、
甘いカシス、煮詰めたジャムやリコリス、
ハーブのニュアンスが感じられます。
味わいはとてもソフトでバランスが良く、
ボルドーワインを思わせるエレガンスが感じられるあたりはさすが。
↑「スタイリッシュにお願いします!」というスタッフのリクエストに応えて、
素敵なポーズをとってくださったエマニュエルさん
バロン・フィリップ社では、今後、
「熟成して楽しむチリワイン」というコンセプトをより強く打ち出していくそう。
昨年来日した、オーナーのフィリップ・ド・セレイ・ド・ロスチャイルド氏も、
「熟成が我々の強み」
ということを強調していました。
長期熟成タイプのボルドー産グランヴァンを長年手がけてきた経験、
そして、豊富な資金力があるからこそ実践できるのが
「熟成」というコンセプトなのでしょう。
格安ワインからプレミアムワインまで、百花繚乱のチリワイン市場。
ロスチャイルド家がボルドーから持ち込んだ「熟成」というコンセプトは
チリワイン界に新たなトレンドを生み出すかもしれません。
2016年5月28日土曜日
2016年5月13日金曜日
本日はカクテルの日!ワインカクテルを楽しみませんか?
本日5月13日は「カクテルの日」。
アメリカの新聞で初めて「カクテル」が定義されたのが1806年の5月13日。
その日を、日本のバーテンダー4団体が「カクテルの日」に制定しました。
実は昨年のブログでもワインカクテルをいくつかご紹介しました。
↓
http://winetsushin.blogspot.jp/2015/05/513.html
今回も、これからの季節にぴったり!
爽やかなワインカクテルを新たにご紹介します。
あまり馴染みのない名前ですが、
実はフランスで大ヒット中!というカクテルがこちら。
作り方は拍子抜けするほど簡単。
ロゼワインにピンクグレープフルーツジュースをお好みで注ぐだけ!
グレープフルーツの苦みとロゼワインの程よいコクが相まって
とても爽やかな味わいになります。
想像以上にドライに仕上がるので、食中酒にぴったり。
昼下がりのランチにパンプルムースなんて、最高です♪
甘めが好きな方は、シロップを加えても。
パンプルムースには、淡い色合いの辛口ロゼがおすすめです。
南仏産のドライなロゼなどいかがでしょうか?
ロスタル・カーズ・ロゼ
1,800 円 (1,944 円 税込)
こちらはポピュラーなワインカクテルですね。
作り方は、赤ワインとレモネードを3:4位の割合で混ぜるだけ。
最初にグラスに氷とレモネードを注いでおいて、
マドラー伝いに赤ワインをそーっと注ぐと
写真のようなきれいなグラデーションができます。
レモンの酸味と苦み、そして赤ワインの渋みが心地良い
大人のカクテルです。
飲み残しの赤ワインとレモンがあれば是非お試しを!
最近日本でもにわかにブームの兆しのあるサングリア。
赤ワインにオレンジやレモン、
リンゴといったフルーツを加える作り方が定番ですが、
今回はちょっと珍しいレシピをご紹介。
こちらは、お好みの白ワインに桃ジュースと
桃、ラズベリーを加えたちょっと贅沢なサングリア。
白ワインと桃ジュースは、1:2くらいの割合でブレンドします。
見た目がとっても華やかで、パーティーのスターターにぴったり。
優しい甘みにラズベリーの酸味がアクセントになって、
やみつきになりそうな味わいです♪
こちらは昨年ご紹介して好評だったカクテル。
ボルドーの白ワイン「ムートン・カデ・ソーヴィニヨン・ブラン」
を使ったオリジナルカクテルです。
こちらも作り方は簡単。
大きめのグラスに氷をたくさん入れ、
ムートン・カデ・ソーヴィニヨン・ブラン120mlに
ガムシロップ10mlを加えて軽くステア。
最後にスライスしたライムを添えます。
ソーヴィニヨン・ブランの柑橘類やハーブの香りに
ライムの爽快な香りが加わって
グラスから清涼感が溢れだします。
まさに初夏から夏にかけてのアペリティフにぴったり!
是非お試しを。
ムートン・カデ・ソーヴィニヨン・ブラン
1,600 円 (1,728 円 税込)
アメリカの新聞で初めて「カクテル」が定義されたのが1806年の5月13日。
その日を、日本のバーテンダー4団体が「カクテルの日」に制定しました。
実は昨年のブログでもワインカクテルをいくつかご紹介しました。
↓
http://winetsushin.blogspot.jp/2015/05/513.html
今回も、これからの季節にぴったり!
爽やかなワインカクテルを新たにご紹介します。
その1 「パンプルムース」
あまり馴染みのない名前ですが、
実はフランスで大ヒット中!というカクテルがこちら。
作り方は拍子抜けするほど簡単。
ロゼワインにピンクグレープフルーツジュースをお好みで注ぐだけ!
グレープフルーツの苦みとロゼワインの程よいコクが相まって
とても爽やかな味わいになります。
想像以上にドライに仕上がるので、食中酒にぴったり。
昼下がりのランチにパンプルムースなんて、最高です♪
甘めが好きな方は、シロップを加えても。
パンプルムースには、淡い色合いの辛口ロゼがおすすめです。
南仏産のドライなロゼなどいかがでしょうか?
ロスタル・カーズ・ロゼ
1,800 円 (1,944 円 税込)
その2 「アメリカンレモネード」
こちらはポピュラーなワインカクテルですね。
作り方は、赤ワインとレモネードを3:4位の割合で混ぜるだけ。
最初にグラスに氷とレモネードを注いでおいて、
マドラー伝いに赤ワインをそーっと注ぐと
写真のようなきれいなグラデーションができます。
レモンの酸味と苦み、そして赤ワインの渋みが心地良い
大人のカクテルです。
飲み残しの赤ワインとレモンがあれば是非お試しを!
その3 「サングリア」
最近日本でもにわかにブームの兆しのあるサングリア。
赤ワインにオレンジやレモン、
リンゴといったフルーツを加える作り方が定番ですが、
今回はちょっと珍しいレシピをご紹介。
こちらは、お好みの白ワインに桃ジュースと
桃、ラズベリーを加えたちょっと贅沢なサングリア。
白ワインと桃ジュースは、1:2くらいの割合でブレンドします。
見た目がとっても華やかで、パーティーのスターターにぴったり。
優しい甘みにラズベリーの酸味がアクセントになって、
やみつきになりそうな味わいです♪
その4 「グリーン・ムートン・カデ」
こちらは昨年ご紹介して好評だったカクテル。
ボルドーの白ワイン「ムートン・カデ・ソーヴィニヨン・ブラン」
を使ったオリジナルカクテルです。
こちらも作り方は簡単。
大きめのグラスに氷をたくさん入れ、
ムートン・カデ・ソーヴィニヨン・ブラン120mlに
ガムシロップ10mlを加えて軽くステア。
最後にスライスしたライムを添えます。
ソーヴィニヨン・ブランの柑橘類やハーブの香りに
ライムの爽快な香りが加わって
グラスから清涼感が溢れだします。
まさに初夏から夏にかけてのアペリティフにぴったり!
是非お試しを。
ムートン・カデ・ソーヴィニヨン・ブラン
1,600 円 (1,728 円 税込)
2016年5月8日日曜日
訪れるべき世界のスパークリングワイン産地トップ5
長かったゴールデンウィークも本日で終わり。
すでに明日のことを考えて憂鬱・・という方も多いかもしれません。
そんな連休最終日には、
さっそく次の休暇の計画を考えて、気を紛らわせることにましょう(笑)
ということで、本日は、
イギリスのワイン専門誌『デキャンター』が発表した
「訪れるべきスパークリングワイン産地トップ5」
1位から3位までをご紹介します。
第1位
シャンパーニュ(フランス)
↑ルイ・ロデレールの畑
もちろん1位は言わずもがな「シャンパーニュ」ですね。
デキャンター誌は、
「シャンパーニュには豊かな歴史があり、
2015年にはユネスコの世界文化遺産に登録。
地下に広がる巨大なセラーを、パリからたった4時間で目にすることができる。」
とコメント。
2015年にユネスコの世界文化遺産として登録されたシャンパーニュ地方。
特にランスに広がる歴史あるメゾンと、白亜質の土壌を切り開いて造られた
地下に広がるカーヴ群が、認定のポイントになりました。
↑シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルドのカーヴ
ブドウ栽培地の北限に近いシャンパーニュ地方ですが、
そのハンデを逆手にとり、アッサンブラージュや動瓶、デコルジュマンなど、
技術と手間が必要なワイン造りの工程を積み重ねることで
他の産地には真似のできないワインを生み出すことに成功しました。
美しい景観に加え、
職人たちによるワイン造りの技術の粋が結晶した場所でもあり、
ワインラヴァーなら一度は訪れるべき価値がありそうです。
シャンパーニュツアーの詳細は、
デキャンターのトラベルガイドを参考に ↓
Decanter travel guide to Champagne.
第2位
プロセッコ(イタリア)

↑ビソルの畑。
こちらはプロセッコのグラン・クリュと言われるカルティッツェの畑
近年人気急上昇中のスパークリングワイン、プロセッコ。
特に欧米では、消費量が爆発的に伸びているとか。
写真を見ておわかりの通り、
プロセッコは丘が連なる産地。
特に西に位置するヴァルドッビアーネに生産者が集中しており、
急峻な丘で栽培されたブドウから
高品質なプロセッコが生み出されています。
デキャンター誌は、
「ヴェニスから近いので、歴史的な水上都市も一緒に訪れることをお忘れなく。」
とコメント。
なるほど!世界的な観光都市、ヴェネツィア観光が同時にできることも
プロセッコの大きな魅力の一つですね。
プロセッコツアーの詳細は、
デキャンターのトラベルガイドを参考に ↓
Prosecco tour and wineries to visit.
第3位
カヴァ(スペイン)
↑グラモナの畑 / Decanter.com より
日本でも高い人気を誇るスペインのカヴァが3位にランクイン。
デキャンター誌は、
「スペインの太陽の元でスパークリングワインを飲みましょう。~中略~
バルセロナに飛べば、歴史とアート、タパス、そしてナイトライフが楽しめます。」
とコメント。
冷涼なシャンパーニュ地方と違って
スペインの良さは何と言っても気候の良さ。
燦々と降り注ぐ太陽の元で楽しむカヴァとタパス。
想像するだけで素敵です。
カヴァツアーの詳細は、
マスター・オブ・ワインが選ぶトラベルガイドを参考に ↓
Sarah Jane Evans MW’s guide to best Cava wineries to visit
以上、皆さま行きたい産地はありましたか?
ワイン産地ツアーは、
おいしいワインが飲めることはもちろん、
周辺に素敵な観光スポットがあることも重要なポイント。
当たり前ですが、ワイン産地のメインは「畑」。
畑の他に遊べるスポットがないなんてこともしばしばですので。。
夏休みの旅行先の参考にしてみてはいかがでしょうか♪
すでに明日のことを考えて憂鬱・・という方も多いかもしれません。
そんな連休最終日には、
さっそく次の休暇の計画を考えて、気を紛らわせることにましょう(笑)
ということで、本日は、
イギリスのワイン専門誌『デキャンター』が発表した
「訪れるべきスパークリングワイン産地トップ5」
1位から3位までをご紹介します。
第1位
シャンパーニュ(フランス)
↑ルイ・ロデレールの畑
もちろん1位は言わずもがな「シャンパーニュ」ですね。
デキャンター誌は、
「シャンパーニュには豊かな歴史があり、
2015年にはユネスコの世界文化遺産に登録。
地下に広がる巨大なセラーを、パリからたった4時間で目にすることができる。」
とコメント。
2015年にユネスコの世界文化遺産として登録されたシャンパーニュ地方。
特にランスに広がる歴史あるメゾンと、白亜質の土壌を切り開いて造られた
地下に広がるカーヴ群が、認定のポイントになりました。
↑シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルドのカーヴ
ブドウ栽培地の北限に近いシャンパーニュ地方ですが、
そのハンデを逆手にとり、アッサンブラージュや動瓶、デコルジュマンなど、
技術と手間が必要なワイン造りの工程を積み重ねることで
他の産地には真似のできないワインを生み出すことに成功しました。
美しい景観に加え、
職人たちによるワイン造りの技術の粋が結晶した場所でもあり、
ワインラヴァーなら一度は訪れるべき価値がありそうです。
シャンパーニュツアーの詳細は、
デキャンターのトラベルガイドを参考に ↓
Decanter travel guide to Champagne.
第2位
プロセッコ(イタリア)

↑ビソルの畑。
こちらはプロセッコのグラン・クリュと言われるカルティッツェの畑
近年人気急上昇中のスパークリングワイン、プロセッコ。
特に欧米では、消費量が爆発的に伸びているとか。
写真を見ておわかりの通り、
プロセッコは丘が連なる産地。
特に西に位置するヴァルドッビアーネに生産者が集中しており、
急峻な丘で栽培されたブドウから
高品質なプロセッコが生み出されています。
デキャンター誌は、
「ヴェニスから近いので、歴史的な水上都市も一緒に訪れることをお忘れなく。」
とコメント。
なるほど!世界的な観光都市、ヴェネツィア観光が同時にできることも
プロセッコの大きな魅力の一つですね。
プロセッコツアーの詳細は、
デキャンターのトラベルガイドを参考に ↓
Prosecco tour and wineries to visit.
第3位
カヴァ(スペイン)
↑グラモナの畑 / Decanter.com より
日本でも高い人気を誇るスペインのカヴァが3位にランクイン。
デキャンター誌は、
「スペインの太陽の元でスパークリングワインを飲みましょう。~中略~
バルセロナに飛べば、歴史とアート、タパス、そしてナイトライフが楽しめます。」
とコメント。
冷涼なシャンパーニュ地方と違って
スペインの良さは何と言っても気候の良さ。
燦々と降り注ぐ太陽の元で楽しむカヴァとタパス。
想像するだけで素敵です。
カヴァツアーの詳細は、
マスター・オブ・ワインが選ぶトラベルガイドを参考に ↓
Sarah Jane Evans MW’s guide to best Cava wineries to visit
以上、皆さま行きたい産地はありましたか?
ワイン産地ツアーは、
おいしいワインが飲めることはもちろん、
周辺に素敵な観光スポットがあることも重要なポイント。
当たり前ですが、ワイン産地のメインは「畑」。
畑の他に遊べるスポットがないなんてこともしばしばですので。。
夏休みの旅行先の参考にしてみてはいかがでしょうか♪
2016年5月1日日曜日
“パリスの審判” でイギリス産スパークリングがシャンパーニュに勝利!
“パリスの審判”と聞けば
ワイン好きの方はピンとくる方も多いかもしれません。
これは、アカデミー・デュ・ヴァンの創始者が
パリで主催したブラインド・テイスティング。
当時まったく無名のカリフォルニアワインが、
シャトー・ムートンやオー・ブリオンといった
フランスワインを打ち破った、
ワイン界を揺るがした大きな事件でした。
実は、このパリスの審判が開催されたのは1976年5月24日。
今年で40周年を迎えました。
そんな記念すべき年に行われたのが、
シャンパーニュ VS 英国産スパークリングワインという
興味深いテイスティング。
イギリスのテレグラフ紙で、
「 イギリスのスパークリングワインが
パリのブラインドテイスティングでシャンパーニュに勝利 」
という見出しで紹介されました。
↑シャンパーニュに勝利した、イギリス産のスパークリングワイン
「ナイティンバー・ブラン・ド・ブラン2009」
ブラン・ド・ブラン部門で14人中9人の審査員が、
シャンパーニュ「ビルカール・サルモン ブラン・ド・ブラン」を上回る評価を下しました。
こちらのテイスティングは
英国のワイン&スピリッツ・トレード・アソシエーションが主催。
審査員には、フランスのレストランやバーから
ビックネームが名を連ね、
3部門中、2部門でイギリス勢が勝利。
残る1部門においては、シャンパーニュとタイという
イギリス勢の圧勝という結果に終わりました。
↑イギリス ウェスト・サセックス州にあるナイティンバーの畑
実は、フランスより50年ほど早い17世紀の半ばから
スパークリングワインを生産していたといういイギリス。
(ただ、原料のブドウはシャンパーニュから運ばれたものだったそうです)
これまでシャンパーニュほどの名声を確立することはありませんでしたが、
ここ最近の地球温暖化により、
「ポスト・シャンパーニュ」として注目を浴びるようになりました。
実際、スパークリングワインが造られれているイギリスの産地の気温は
フランスのシャンパーニュ地方の数十年前の水準と同じになっているとか。
また、白亜質という特異な土壌条件もシャンパーニュと合致しています。
テレグラフ紙によると、
シャンパーニュの大手、テタンジェ社は、
イギリスのカンタベリー近くの田園地帯で
170エーカーの土地を購入したそうです。
また、同じようにポメリーも現地メーカーと共に
スパークリングワインをリリースする方針を発表。
大手シャンパーニュメゾンが造る
イギリス産スパークリングワインを目にする日も遠くなさそうです。
このブラインドテイスティングにおいて、審査員の一人は
「イギリス産のスパークリングワインは、とてもフレッシュで、
シャンパーニュよりずっとフルーティーだった。」
とコメント。
世界的なワインや食のトレンドが、よりライトな方向に向かっている今、
イギリス産スパークリングワインは、
重厚で他にはない複雑さが魅力のシャンパーニュに対して
また違ったアドバンテージがあるのかもしれません。
これからもますます目が離せない産地となりそうです。
ワイン好きの方はピンとくる方も多いかもしれません。
これは、アカデミー・デュ・ヴァンの創始者が
パリで主催したブラインド・テイスティング。
当時まったく無名のカリフォルニアワインが、
シャトー・ムートンやオー・ブリオンといった
フランスワインを打ち破った、
ワイン界を揺るがした大きな事件でした。
実は、このパリスの審判が開催されたのは1976年5月24日。
今年で40周年を迎えました。
そんな記念すべき年に行われたのが、
シャンパーニュ VS 英国産スパークリングワインという
興味深いテイスティング。
イギリスのテレグラフ紙で、
「 イギリスのスパークリングワインが
パリのブラインドテイスティングでシャンパーニュに勝利 」
という見出しで紹介されました。
↑シャンパーニュに勝利した、イギリス産のスパークリングワイン
「ナイティンバー・ブラン・ド・ブラン2009」
ブラン・ド・ブラン部門で14人中9人の審査員が、
シャンパーニュ「ビルカール・サルモン ブラン・ド・ブラン」を上回る評価を下しました。
こちらのテイスティングは
英国のワイン&スピリッツ・トレード・アソシエーションが主催。
審査員には、フランスのレストランやバーから
ビックネームが名を連ね、
3部門中、2部門でイギリス勢が勝利。
残る1部門においては、シャンパーニュとタイという
イギリス勢の圧勝という結果に終わりました。
↑イギリス ウェスト・サセックス州にあるナイティンバーの畑
実は、フランスより50年ほど早い17世紀の半ばから
スパークリングワインを生産していたといういイギリス。
(ただ、原料のブドウはシャンパーニュから運ばれたものだったそうです)
これまでシャンパーニュほどの名声を確立することはありませんでしたが、
ここ最近の地球温暖化により、
「ポスト・シャンパーニュ」として注目を浴びるようになりました。
実際、スパークリングワインが造られれているイギリスの産地の気温は
フランスのシャンパーニュ地方の数十年前の水準と同じになっているとか。
また、白亜質という特異な土壌条件もシャンパーニュと合致しています。
テレグラフ紙によると、
シャンパーニュの大手、テタンジェ社は、
イギリスのカンタベリー近くの田園地帯で
170エーカーの土地を購入したそうです。
また、同じようにポメリーも現地メーカーと共に
スパークリングワインをリリースする方針を発表。
大手シャンパーニュメゾンが造る
イギリス産スパークリングワインを目にする日も遠くなさそうです。
このブラインドテイスティングにおいて、審査員の一人は
「イギリス産のスパークリングワインは、とてもフレッシュで、
シャンパーニュよりずっとフルーティーだった。」
とコメント。
世界的なワインや食のトレンドが、よりライトな方向に向かっている今、
イギリス産スパークリングワインは、
重厚で他にはない複雑さが魅力のシャンパーニュに対して
また違ったアドバンテージがあるのかもしれません。
これからもますます目が離せない産地となりそうです。
2016年4月24日日曜日
ブルゴーニュの鬼才が造るシャトーヌフ・デュ・パプ
先日、ブルゴーニュで「ルシアン・ルモワンヌ」を
そして南仏シャトーヌフ・デュ・パプで
「ロテム・アンド・ムニール・サウマ」を手掛ける
オーナー兼ワインメーカー、ムニール・サウマさんが来日。
スタッフ向けセミナーが行われました。
今回紹介していただいたのは、
シャトーヌフ・デュ・パプ「ロテム・アンド・ムニール・サウマ」のワイン。
2009年、ムニール・サウマさんと奥さんのロテムさんが
シャトーヌフ・デュ・パプに畑を購入して始めたドメーヌです。
↑ロテムさんとムニールさん。 奥様のロテムさんは農業校でワイン造りを学び、
コート・ドールについて書いた論文が
フランス農業アカデミーより賞を受けたという才媛です。
ルシアン・ルモワンヌと言えばブルゴーニュワイン。
「なぜシャトーヌフ・デュ・パプで」
と尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。
「ブルゴーニュのブドウ品種、ピノ・ノワールも
シャトーヌフ・デュ・パプのブドウ品種、グルナッシュも兄弟だから。」
ピノ・ノワール、グルナッシュ・ノワール
ピノ・ブラン、グルナッシュ・ブラン
という呼び名が付いているように、両者は同じルーツをもつブドウ品種。
さらに、どちらも「ブドウの実」すなわち皮を取り除いた
ジュースが白いことが共通しているそうです。
そしてこのジュース自体は非常にニュートラル。
ジュース自体にも色がついており、
個性があるカベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブランなどのブドウとは
性質が異なるそうです。
ジュース自体がニュートラルであるという性質が
ピノ・ノワールやグルナッシュは「土地の味わいを表現することができる」
所以だとか。なるほど。
そういえば、シャトーヌフ・デュ・パプの名門として知られる
ヴュー・テレグラフのダニエル・ブルニエさんも
「グルナッシュは土地のアンバサダー」
という表現をしていました。
サウマさんのワイン造りは、とにかくユニーク。
「100年前のワイン造りを再現する」をコンセプトに
極力人の手を介入させない自然なワイン造りが知られています。
特にこだわっているのた木樽による熟成。
収穫したブドウはコールドマセラシオンを行い
その後、木樽に入れて熟成を行いますが、何とその期間約2~3年間。
サウマさん曰く
「2年間放っておくだけ。なーんにもしない。」
「何にもしない」は言い過ぎですが・・
通常の生産者は木樽熟成中、澱引きを頻繁に行いますが、
サウマさんが行うのはCO2(二酸化炭素)ガスを抜くことくらい。
また、サウマさんのワイン造りでは、
SO2(亜硫酸塩)をほとんど添加しません。
それによって、酵母が自然な発酵を進めるため
通常の数倍のCO2が発生するそうです。
そしてこのCO2が、膜のような働きをしてワインの酸化を防いでくれるそうです。
ただ、SO2を加えないと、
好ましくない酵母が活性化する恐れもあります。
特に亜硫酸塩の添加を減らすと、「ブレット臭」という
不快な匂いを発生させる酵母が発生する確率が高くなるため、
サウマさんのワイン造りについて、同業者から多くの反発を受けたそうです。
また、こうした酵母の繁殖を防ぐため、
多くの生産者が年に5回ほど澱引きをするとか。
これに対してサウマさんは、1度も澱引きをしません。
これについてサウマさんは
「リスクを取らないとOutstandingなワインはできないよ。」
と力説していました。
取り扱いはとても難しいものの、
澱引きをすると、熟成中のワインは必ず空気に触れてしまいます。
それを繰り返すことで、ワインはどんどん疲れてしまうそう。
熟成中のワインを「赤ちゃん」と表現し、
その「Purity=純粋さ」が大切、と何度も語っていました。
正しい温度と方法でワインにできる限り触れずに熟成させることで
フィネスを備えたワインが生まれるそうです。
↑サウマ流デキャンタ
こうして長期間樽で澱引きせずに熟 成されるワインは
大量のCO2を含んでいるため、
大胆な デキャンティングでガスを取り除きつつ一気に空気に触れ させます。
デキャンタに勢いよく注がれるワイン・・・
「そんな勢いよくていいの?」とハラハラする スタッフに
「リシュブールだってこうしているよ。ワイン と酸素はお友達~♪」
と楽しそうなサウマ氏。
長い間ほとんど空気に触れずに眠っていた「赤ちゃん」のようなワインは
こうして一気に目覚めます。
サウマ氏曰く、
「空気にほとんど触れさせていない、疲れていないワインだから長持ちするんだ。」
サウマ氏のワインは、香りもさることながら、全てのワインに共通して
奥深いフィネスが感じられ、
時間と共に目まぐるしく変化していくのが特徴的。
抜栓後、数日置いても素晴らしい変化が楽しめます。
▼サウマさんが造るシャトーヌフ・デュ・パプはこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=Z2
そして南仏シャトーヌフ・デュ・パプで
「ロテム・アンド・ムニール・サウマ」を手掛ける
オーナー兼ワインメーカー、ムニール・サウマさんが来日。
スタッフ向けセミナーが行われました。
今回紹介していただいたのは、
シャトーヌフ・デュ・パプ「ロテム・アンド・ムニール・サウマ」のワイン。
2009年、ムニール・サウマさんと奥さんのロテムさんが
シャトーヌフ・デュ・パプに畑を購入して始めたドメーヌです。
↑ロテムさんとムニールさん。 奥様のロテムさんは農業校でワイン造りを学び、
コート・ドールについて書いた論文が
フランス農業アカデミーより賞を受けたという才媛です。
ルシアン・ルモワンヌと言えばブルゴーニュワイン。
「なぜシャトーヌフ・デュ・パプで」
と尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。
「ブルゴーニュのブドウ品種、ピノ・ノワールも
シャトーヌフ・デュ・パプのブドウ品種、グルナッシュも兄弟だから。」
ピノ・ノワール、グルナッシュ・ノワール
ピノ・ブラン、グルナッシュ・ブラン
という呼び名が付いているように、両者は同じルーツをもつブドウ品種。
さらに、どちらも「ブドウの実」すなわち皮を取り除いた
ジュースが白いことが共通しているそうです。
そしてこのジュース自体は非常にニュートラル。
ジュース自体にも色がついており、
個性があるカベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブランなどのブドウとは
性質が異なるそうです。
ジュース自体がニュートラルであるという性質が
ピノ・ノワールやグルナッシュは「土地の味わいを表現することができる」
所以だとか。なるほど。
そういえば、シャトーヌフ・デュ・パプの名門として知られる
ヴュー・テレグラフのダニエル・ブルニエさんも
「グルナッシュは土地のアンバサダー」
という表現をしていました。
サウマさんのワイン造りは、とにかくユニーク。
「100年前のワイン造りを再現する」をコンセプトに
極力人の手を介入させない自然なワイン造りが知られています。
特にこだわっているのた木樽による熟成。
収穫したブドウはコールドマセラシオンを行い
その後、木樽に入れて熟成を行いますが、何とその期間約2~3年間。
サウマさん曰く
「2年間放っておくだけ。なーんにもしない。」
「何にもしない」は言い過ぎですが・・
通常の生産者は木樽熟成中、澱引きを頻繁に行いますが、
サウマさんが行うのはCO2(二酸化炭素)ガスを抜くことくらい。
また、サウマさんのワイン造りでは、
SO2(亜硫酸塩)をほとんど添加しません。
それによって、酵母が自然な発酵を進めるため
通常の数倍のCO2が発生するそうです。
そしてこのCO2が、膜のような働きをしてワインの酸化を防いでくれるそうです。
ただ、SO2を加えないと、
好ましくない酵母が活性化する恐れもあります。
特に亜硫酸塩の添加を減らすと、「ブレット臭」という
不快な匂いを発生させる酵母が発生する確率が高くなるため、
サウマさんのワイン造りについて、同業者から多くの反発を受けたそうです。
また、こうした酵母の繁殖を防ぐため、
多くの生産者が年に5回ほど澱引きをするとか。
これに対してサウマさんは、1度も澱引きをしません。
これについてサウマさんは
「リスクを取らないとOutstandingなワインはできないよ。」
と力説していました。
取り扱いはとても難しいものの、
澱引きをすると、熟成中のワインは必ず空気に触れてしまいます。
それを繰り返すことで、ワインはどんどん疲れてしまうそう。
熟成中のワインを「赤ちゃん」と表現し、
その「Purity=純粋さ」が大切、と何度も語っていました。
正しい温度と方法でワインにできる限り触れずに熟成させることで
フィネスを備えたワインが生まれるそうです。
↑サウマ流デキャンタ
大量のCO2を含んでいるため、
大胆な
デキャンタに勢いよく注がれるワイン・・・
「そんな勢いよくていいの?」とハラハラする
「リシュブールだってこうしているよ。ワイン
と楽しそうなサウマ氏。
長い間ほとんど空気に触れずに眠っていた「赤ちゃん」のようなワインは
こうして一気に目覚めます。
サウマ氏曰く、
「空気にほとんど触れさせていない、疲れていないワインだから長持ちするんだ。」
サウマ氏のワインは、香りもさることながら、全てのワインに共通して
奥深いフィネスが感じられ、
時間と共に目まぐるしく変化していくのが特徴的。
抜栓後、数日置いても素晴らしい変化が楽しめます。
▼サウマさんが造るシャトーヌフ・デュ・パプはこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=Z2
2016年4月17日日曜日
4月17日、今日は何の日?
4月17日、本日は何の日かご存知ですか?
本日は「マルベックの日」。
なぜ、本日4月17日がマルベックの日なのかというと、
アルゼンチンで農学研究所と農学学校の創設を求める法案が
州議会に提出されたのが1853年4月17日だったそうで、
この日をマルベックの発展を祝す日にしたい、
ということで制定されたそうです。
マルベックと聞くと、
アルゼンチンワインを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ボルドーワインやフランス・南西地方カオールのワインを思い浮かべた方は
フランスワイン通ですね。
今やアルゼンチンワインを代表するブドウ品種、マルベックは
1800年代後半にフランスから持ち込まれました。
1800年代にはボルドーでブレンド品種として
多くのシャトーが使用していたマルベックですが
病害虫に弱く、次第に廃れていきました。
また、カオールは別名「黒ワイン」とも言われ、
野性的で荒々しいほどのタンニンが特徴。
飲み頃になるまで長期熟成が必要なワインとして知られています。
ところが、アルゼンチンに持ち込まれたマルベックは、
アンデス山脈の麓という高地での栽培によって
(アルゼンチンではほとんどのブドウが
標高700m~1,500mという信じられないほどの高地で栽培されています)
独自の進化を遂げます。
昼夜の寒暖差が激しく非常に乾燥しているアルゼンチンでは
過酷な環境であるが故、病害虫がつかず、
そしてブドウの果実が種までしっかりと熟すことで
荒々しいタンニンは押さえられ、
凝縮感が際立つ丸みのあるワインが生み出されるようになりました。
チリのカベルネ・ソーヴィニヨンしかり、
ヨーロッパから持ち込まれて新天地で成功したブドウ品種は数あれど、
まだまだ本家の方が知名度も人気も上、
ということが多いのも事実。
本家フランスから換骨奪胎して成功を収めた
マルベックのようなブドウ品種は他にないかもしれません。
アルゼンチンが国を挙げて世界中でプロモーションをしているのも納得。
それだけ自国のマルベックに自信があるのですね。
さて、アルゼンチンというと牛肉大国。
もちろんマルベックは牛肉ととても相性がいいのですが、
実は、魚や野菜料理にも合うということをご存知ですか?
先日、ボデガ・ノートン社のマイケル・ミュラーさんが来日した際、
マルベックのワインに合わせた料理の一つに「スズキのグリル」がありました。
「白身魚とマルベック!?」と思いましたが、
甲殻類からとった濃厚なソースを合わせたやわらかいスズキは、
濃厚だけれどシルキーなタンニンをもつマルベックと、抜群の相性でした。
魚料理と合わせる際には、フレッシュさが際立つよう、
ワインの温度を低め(16℃~)で提供することがポイント。
また、現地では、
暑い日にはマルベックをクーラーで冷やして飲むそう。
タンニンがまろやかだからこそ、冷やしてもざらつきは一切感じません。
なるほど、これは日本でも真似したい楽しみ方です。
アメリカではすでにマルベックブームが来ているそうですが、
合わせる料理の幅が広いマルベックは、日本でもブームが来そうな予感。
では、おすすめのマルベックをいくつかご紹介します。
本日は「マルベックの日」。
なぜ、本日4月17日がマルベックの日なのかというと、
アルゼンチンで農学研究所と農学学校の創設を求める法案が
州議会に提出されたのが1853年4月17日だったそうで、
この日をマルベックの発展を祝す日にしたい、
ということで制定されたそうです。
マルベックと聞くと、
アルゼンチンワインを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ボルドーワインやフランス・南西地方カオールのワインを思い浮かべた方は
フランスワイン通ですね。
今やアルゼンチンワインを代表するブドウ品種、マルベックは
1800年代後半にフランスから持ち込まれました。
1800年代にはボルドーでブレンド品種として
多くのシャトーが使用していたマルベックですが
病害虫に弱く、次第に廃れていきました。
また、カオールは別名「黒ワイン」とも言われ、
野性的で荒々しいほどのタンニンが特徴。
飲み頃になるまで長期熟成が必要なワインとして知られています。
ところが、アルゼンチンに持ち込まれたマルベックは、
アンデス山脈の麓という高地での栽培によって
(アルゼンチンではほとんどのブドウが
標高700m~1,500mという信じられないほどの高地で栽培されています)
独自の進化を遂げます。
昼夜の寒暖差が激しく非常に乾燥しているアルゼンチンでは
過酷な環境であるが故、病害虫がつかず、
そしてブドウの果実が種までしっかりと熟すことで
荒々しいタンニンは押さえられ、
凝縮感が際立つ丸みのあるワインが生み出されるようになりました。
チリのカベルネ・ソーヴィニヨンしかり、
ヨーロッパから持ち込まれて新天地で成功したブドウ品種は数あれど、
まだまだ本家の方が知名度も人気も上、
ということが多いのも事実。
本家フランスから換骨奪胎して成功を収めた
マルベックのようなブドウ品種は他にないかもしれません。
アルゼンチンが国を挙げて世界中でプロモーションをしているのも納得。
それだけ自国のマルベックに自信があるのですね。
さて、アルゼンチンというと牛肉大国。
もちろんマルベックは牛肉ととても相性がいいのですが、
実は、魚や野菜料理にも合うということをご存知ですか?
先日、ボデガ・ノートン社のマイケル・ミュラーさんが来日した際、
マルベックのワインに合わせた料理の一つに「スズキのグリル」がありました。
「白身魚とマルベック!?」と思いましたが、
甲殻類からとった濃厚なソースを合わせたやわらかいスズキは、
濃厚だけれどシルキーなタンニンをもつマルベックと、抜群の相性でした。
魚料理と合わせる際には、フレッシュさが際立つよう、
ワインの温度を低め(16℃~)で提供することがポイント。
また、現地では、
暑い日にはマルベックをクーラーで冷やして飲むそう。
タンニンがまろやかだからこそ、冷やしてもざらつきは一切感じません。
なるほど、これは日本でも真似したい楽しみ方です。
アメリカではすでにマルベックブームが来ているそうですが、
合わせる料理の幅が広いマルベックは、日本でもブームが来そうな予感。
では、おすすめのマルベックをいくつかご紹介します。
マルベック・レゼルヴァ/ ボデガ・ノートン
1,900 円 (2,052 円 税込)
こちらは、オーストリアのスワロフスキーが所有するワイナリー
ボデガ・ノートン社が造る1本。
ワインメーカーは、南米で初めて
「ワインメーカーズ・オブ・ザ・イヤー」を獲得したホルヘ・リッチテッリさん。
アルゼンチンを代表するワイナリーの一つです。
樹齢80年以上という高樹齢のマルベックを使用。
華やかでよく熟した黒系果実の香りと
ヴェルベットのような舌触り。
アルゼンチン産マルベックの実力を知るには
ぴったりの1本です。
ボデガ・ノートン社が造る1本。
ワインメーカーは、南米で初めて
「ワインメーカーズ・オブ・ザ・イヤー」を獲得したホルヘ・リッチテッリさん。
アルゼンチンを代表するワイナリーの一つです。
樹齢80年以上という高樹齢のマルベックを使用。
華やかでよく熟した黒系果実の香りと
ヴェルベットのような舌触り。
アルゼンチン産マルベックの実力を知るには
ぴったりの1本です。
プリヴァーダ/ ボデガ・ノートン
3,000 円 (3,240 円 税込)
こちらは、マルベックに
カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロをブレンドした
ボルドースタイルのワイン。
マルベックならではの華やかな香りと丸みのある果実味に
カベルネのしっかりとした骨格が加わり
凝縮感がありつつも、非常に洗練された味わい。
マルベックを使ったワインの真骨頂というべき
世界クラスの赤ワインです。
ぜひ一度お試しください。
カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロをブレンドした
ボルドースタイルのワイン。
マルベックならではの華やかな香りと丸みのある果実味に
カベルネのしっかりとした骨格が加わり
凝縮感がありつつも、非常に洗練された味わい。
マルベックを使ったワインの真骨頂というべき
世界クラスの赤ワインです。
ぜひ一度お試しください。
2016年4月10日日曜日
ムルソーの巨匠が新天地で手掛ける注目の白ワイン
ムルソーのトップ生産者として知られるコント・ラフォンより
当主のドミニク・ラフォンさんが来日。
彼がマコンで手掛けるワイナリー
「レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォン」のワインについて
お話しを伺いました。
↑ ドメーヌ・コント・ラフォンと
レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンを手掛けるドミニク・ラフォンさん
レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンは、
ムルソーから100㎞ほど南下したマコンにあり、
ドミニクさんが1999年に畑を購入して始めたドメーヌ。
英デキャンター誌が選ぶ「ブルゴーニュ生産者10傑」では2位に選ばれ
すでにブルゴーニュのトップ生産者としての地位を
確立している巨匠、ドミニク・ラフォンさん。
マコンというと、ブルゴーニュに比べると
まだまだ知名度の低いマイナーアペラシオン。
ムルソーのような高級ワインのイメージはありません。
マコンに進出したことについて、ドミニクさんは
「私の祖父は、まだムルソーが今のように注目されていなかった時代に
多くの優れた畑を購入し、今のドメーヌ・コント・ラフォンを築き上げた。
私はそんな祖父をとても尊敬していて、
いつか自分もそんな産地を見つけて新しいワイン造りをしたいと思っていた。
そうして見つけたのがマコンなのです。
20年後には、マコンは今とは全く違う産地になっていると思います。」
と語ってくださいました。
実はマコンにはあのドメーヌ・ルフレーヴなど
ブルゴーニュの生産者たちが進出してきており
すでに注目の産地として知られつつあります。
今回は、畑や区画が異なる全8種のマコンをご紹介いただきました。
↑ 8種のマコン 壮観です。
ブルゴーニュよりさらに南下した産地であるマコン。
実は地形は複雑で、ブルゴーニュより標高が高いところも多いそうです。
急峻に富んでいる地形のため、
南の畑のほうが北のそれよりも涼しい、なんてことも多いとか。
こうした豊かなテロワールを備えている産地だからこそ
区画ごとにワインを仕込みたくなるドミニクさんの気持ちもわかります。
実際に8つのキュヴェ、それぞれにキャラクターが全く異なり
非常に興味深いテイスティングでした。
中でも特徴的だったワインをご紹介します。
こちらは新しくリニューアルされたキュヴェ。
ドミニクさんが、
マコンの偉大なテロワールを表現していると評する銘醸地です。
こちらは、中でもシャトー・ド・ヴィレという
歴史ある生産者から購入した畑。
標高が高く、樹齢60年という高樹齢の樹が植えられており
ヴィレ・クレッセの中でも最も恵まれた畑の一つとのこと。
桃やパイナップルの豊かなアロマに
ウッド系のスパイス、ハーブのニュアンス。
さすが、ドミニクさんが「一番好きなキュヴェ」と話すように
他のマコンとは一線を画す個性を備えた1本です。
↑ ドミニクさんが持ってきてくれた昔のポスター。
彼が考えるマコンのイメージにぴったりなのだとか。
▼レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンの特集はこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=201
当主のドミニク・ラフォンさんが来日。
彼がマコンで手掛けるワイナリー
「レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォン」のワインについて
お話しを伺いました。
↑ ドメーヌ・コント・ラフォンと
レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンを手掛けるドミニク・ラフォンさん
レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンは、
ムルソーから100㎞ほど南下したマコンにあり、
ドミニクさんが1999年に畑を購入して始めたドメーヌ。
英デキャンター誌が選ぶ「ブルゴーニュ生産者10傑」では2位に選ばれ
すでにブルゴーニュのトップ生産者としての地位を
確立している巨匠、ドミニク・ラフォンさん。
マコンというと、ブルゴーニュに比べると
まだまだ知名度の低いマイナーアペラシオン。
ムルソーのような高級ワインのイメージはありません。
マコンに進出したことについて、ドミニクさんは
「私の祖父は、まだムルソーが今のように注目されていなかった時代に
多くの優れた畑を購入し、今のドメーヌ・コント・ラフォンを築き上げた。
私はそんな祖父をとても尊敬していて、
いつか自分もそんな産地を見つけて新しいワイン造りをしたいと思っていた。
そうして見つけたのがマコンなのです。
20年後には、マコンは今とは全く違う産地になっていると思います。」
と語ってくださいました。
実はマコンにはあのドメーヌ・ルフレーヴなど
ブルゴーニュの生産者たちが進出してきており
すでに注目の産地として知られつつあります。
今回は、畑や区画が異なる全8種のマコンをご紹介いただきました。
↑ 8種のマコン 壮観です。
ブルゴーニュよりさらに南下した産地であるマコン。
実は地形は複雑で、ブルゴーニュより標高が高いところも多いそうです。
急峻に富んでいる地形のため、
南の畑のほうが北のそれよりも涼しい、なんてことも多いとか。
こうした豊かなテロワールを備えている産地だからこそ
区画ごとにワインを仕込みたくなるドミニクさんの気持ちもわかります。
実際に8つのキュヴェ、それぞれにキャラクターが全く異なり
非常に興味深いテイスティングでした。
中でも特徴的だったワインをご紹介します。
ヴィレ・クレッセ
こちらは新しくリニューアルされたキュヴェ。
ドミニクさんが、
マコンの偉大なテロワールを表現していると評する銘醸地です。
こちらは、中でもシャトー・ド・ヴィレという
歴史ある生産者から購入した畑。
標高が高く、樹齢60年という高樹齢の樹が植えられており
ヴィレ・クレッセの中でも最も恵まれた畑の一つとのこと。
桃やパイナップルの豊かなアロマに
ウッド系のスパイス、ハーブのニュアンス。
さすが、ドミニクさんが「一番好きなキュヴェ」と話すように
他のマコンとは一線を画す個性を備えた1本です。
マコン・ミリー・ラマルティーヌ
こちらはレ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンが所有する
マコンの中でも最も標高の高い区画。
標高が高く冷涼なため、南に位置するものの
収穫は一番最後になるそうです。
シトラスフルーツの厚みのある果実味
石灰質土壌由来の強いミネラルと鮮烈な酸。
ドミニクさんが「食事が欲しくなるワイン」と喩えるように
収れん性のある心地よい酸味が、食事を引き立てそうです。
実際に、フランス本国のレストラン「ピエール・ガニェール」では
昔からこのキュヴェをオンリストしているとか。
先ほどのミリー・ラマルティーヌと対照的なのがこちら。
標高が低く、粘土質土壌の南向きの畑。
太陽の光をたっぷりと浴び、
良く熟した黄桃やトロピカルなニュアンスが特徴的です。
酸はそれほど強くなく、濃密なスタイルで
食事がなくとも楽しめる魅力をもっています。
マコンには毎週のように通い
ムルソーにかけるのと同じように情熱をもってワイン造りをしているラフォンさん。
「コント・ラフォンのムルソーの名声は、私が生まれた時から確立されていました。
でもマコンのプロジェクトは、自分で1から始めました。
可能性のある新しい土地を見出してワインを造るのはとてもエキサイティング。
そしてマコンのいいところは、ムルソーよりずっと気軽に楽しめること!」
リラックスした笑顔で語るドミニクさんに、
巨匠のもう一つの顔が見えました。
↑ ドミニクさんが持ってきてくれた昔のポスター。
彼が考えるマコンのイメージにぴったりなのだとか。
▼レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンの特集はこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=201
登録:
投稿 (Atom)