2016年2月21日日曜日

フランスを抜いて、ついに国別輸入量No.1! チリワイン

20161月財務省の貿易統計にて、
チリワインの輸入量がフランスを抜いてNo.1となりました。

2007年に日本とチリの経済連携協定(ERA)が締結され
関税が段階的に引き下げられたことに加え、
生産者の努力によって品質はどんどん向上。
輸入量もこの10年間でなんと6倍もの成長を遂げました。

今回の輸入量増加をけん引したのは
1,000円以下の安価なチリワインと言われていますが、
チリワインがここまでの人気を誇るようになった背景には
チリで本格的なプレミアムワインを生み出そうと努力してきた生産者たちがいます。





チリは、1818年にスペインから独立した後、
1800年台半ばごろには、本格的なワイン造りを開始しました。
国内消費中心だったワインが輸出されるようになったのは、
ヨーロッパなどの諸外国から資本が入るようになってから。

その先駆的な存在が、
1979年、スペインのトーレスが設立したミゲル・トーレス・チリ。
トーレスは、ステンレスタンクやフレンチオーク熟成をチリに持ち込み
多くの醸造所がこれに倣ったといわれています。
















↑いち早くチリに進出したスペインのミゲル・トーレス・チリ


1988年にはチリの軍事政権が終わりを迎え、民主化によって
ボルドーのシャトー・ラフィット・ロスチャイルドをはじめ 
さらに多くの海外資本が流れ込むようになりました。

こうした海外勢に、国内の生産者たちも奮起しはじめます。
90年代初頭には、日本をはじめすでに世界的にブームとなっていたチリワインですが
まだまだ「安くておいしい」というイメージから抜け出せずにいました。
1990年代後半に入ると、一部の生産者たちによるプレミアムワインが興隆し始めます。

その先駆けともいえるのが、
1996年にリリースされたウルトラプレミアムワイン
「モンテス・アルファ・エム」と「アルマヴィーヴァ」。
















モンテス・アルファ・エム 
11,000円(11,880円 税込) 現在品切れ中



















アルマヴィーヴァ 2013年
17,000円(18,360円 税込)


1988年に、チリ人だけによって設立されたモンテス社。
一方で、アルマヴィーヴァは、
チリで最大手のコンチャ・イ・トロ社と、
フランス・ボルドーのシャトー・ムートン・ロスチャイルド社の
ジョイント・ヴェンチャーとして誕生しました。

両者によるウルトラ・プレミアムワインの誕生は
積極的に欧州ワイナリーの進出を受け入れながら
その最新技術を取り込んで発展を遂げてきたチリワインの
一つの到達点ともいえる、象徴的な出来事でした。

このうしたウルトラプレミアムワインは
ヨーロッパのグラン・ヴァンに匹敵する高い評価を獲得。

チリワインのイメージを刷新したことに加え、
スタンダードクラスの品質の底上げにも貢献しました。
























チリワインの強みは、こうした最新技術による品質向上に加え、
ヨーロッパ全土を襲ったフィロセキラに侵されていない
樹齢100年を超す純粋な古樹が多い点や、
病害駆除のための農薬がほとんど必要ないという、
ブドウの樹そのものののポテンシャルの高さや、
環境面での利も改めて見直されています。

さらに、最近では一時は廃れていた伝統品種パイスを使ったワインや
スパークリングワインの人気も高まっているとか。
冷涼な気候をもつ海岸部への進出も目立ちます。
こういった地域では、ピノノワールやシャルドネ、
ソーヴィニヨン・ブランといった品種が成功を収めています。

輸入量だけでなく、様々な面で
ヨーロッパの伝統産地を凌駕する存在になりつつありそうなチリ。
今後も目が離せません。


▼チリワインの特集はこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/CHILE/index.html


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