2015年5月26日火曜日

ブルゴーニュの人気ドメーヌ「トロ・ボー」と「マトロ」のオーナーが来日!

フランス・ブルゴーニュ地方の名門
「ドメーヌ・トロ・ボー」「ドメーヌ・マトロ」より
オーナーが来日し、合同でテイスティングが開催されました。

















↑(左)トロ・ボーのオーナー、ナタリー・トロさん
  (右)マトロのオーナー、ティエリー・マトロさん
    笑顔が素敵なナタリーさんと、赤いパンツを着こなすティエリーさん。
    ティエリーさんはMr.ダンディと呼ばれるおしゃれさんです。

まず、ドメーヌ・マトロについてご紹介。
マトロは18世紀よりワイン造りを行う名門で、現在4代目の老舗ドメーヌ。
ムルソーのトップクラスの1級畑、シャルムやブラニーをはじめ
ピュリニー・モンラッシェやモンテリにも畑を所有しています。

「土壌」と「ヴィンテージ」 この二つの要素を
各ワインで表現することを最も大切に、ワイン造りを行っているそうです。
これらを表現するには、畑仕事がとっても大切。

ティエリーさんは、重要なブドウの収穫時期を、
ブドウ畑に立ち、日々の気候や風を肌で感じて決めているとか。

データではなく、自分の感性を信じるのが、
ティエリーさんの仕事の流儀のようです。
















↑マトロのセラー。新樽は極力使わないのがマトロ流。

マトロは白ワインというイメージがありますが、
今回は赤ワインの新作のお披露目もありました!

今回初お目見えだったのが「マランジュ」。
あまり聞きなれないアペラシオンですね。
それもそのはず。そのワインのほとんどは、ネゴシアンに売られてしまい
アペラシオン名をつけて販売する生産者はほとんどいなかったそうです。

そんなアペラシオンにポテンシャルを感じたティエリーさんは、
マランジュの古い畑を購入、2011年からワインを造ることにしました。
コート・ド・ボーヌの最南端にあるマランジュは
本拠地であるムルソーからたった1㎞しか離れていないのも魅力だったとか。

畑に足を運んで自分が管理できる場所だったからこそ、進出を決意したのです。























2012年 マランジュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
4,000円(4,360円 税込)
※こちらの商品は5/30(土)より販売開始予定です。

とても美しい澄んだチェリーレッドと、
サワーチェリーなどのフレッシュなアロマ。
ティエリーさん曰く「お寿司にも合う赤!」

マランジュには今や多くのドメーヌが進出し
注目の産地になりつつあるそうです。
是非お試しください!

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次はトロ・ボーのワインをご紹介します。
トロ・ボーも19世紀から続く老舗ドメーヌ。
ショレイ・レ・ボーヌに本拠地を置き、
コルトンのグラン・クリュをはじめとする錚々たる畑を所有しています。

ナタリーさんのワイン造りのポリシーは「1日の8割は畑で仕事をする」こと。
畑で丹精込めて育てたブドウから、素晴らしいワインが生まれるのです。























トロ・ボーの代表的なワインと言えば
コルトン・ブレッサンド・グラン・クリュ。

2010年にあのD.R.C.が畑を買ったことで注目されたグラン・クリュです。
しかも、その畑はトロ・ボーのグラン・クリュのお隣だとか!






















2012年 コルトン・ブレッサンド・グラン・クリュ
15,000円(16,200円 税込)

50~60年の樹齢のブドウを使用。
ナタリーさん曰く
「このワインは恥ずかしがり屋なので、なるべく5年は寝かせて飲んで欲しい。」
とのこと。開くのに時間がかかるので、
今飲むならデキャンタージュがおすすめです。
一同、甘美なアロマと余韻にうっとり。。


















マトロのティエリーさんも、トロ・ボーのナタリーさんも
老舗ドメーヌを継ぐオーナーでありながら、
自然体で楽しそうにワインについて語る姿が印象的でした。

フランス国内で圧倒的な人気を誇る二人のワイン。
柔和なお二人の人柄と安定したワインの品質、そして良心的な価格に、
その人気の秘密が垣間見えました。





2015年5月19日火曜日

名門トーレスの才媛が造るカリフォルニアワイン

先日、カリフォルニア ソノマ・コーストのマリマー・エステートより、
当主のマリマー・トーレスさんが来日し、スタッフ向けセミナーが開催されました。

マリマー・トーレスさんはその名からもわかるように
スペインの名門、トーレス社の長女。
現当主、ミゲル・トーレスさんの妹にあたる方です。

6ヶ国語を流暢に操るマリマーさんは名門バルセロナ大学で
ビジネスと経済学の学位を取得したのちに、
スタンフォード大学幹部プログラムを卒業。

アメリカでトーレスの輸出部長を務めたのち、
ソノマ・カウンティで「マリマー・エステート」を立ち上げたという
異色の経歴の持ち主です。




ソノマ・カウンティでのワイン造りを決意した後
名門、カリフォルニア大学デイヴィス校でワイン造りを学んだマリマーさんは
すぐにワイナリーを造ろうとしました。
しかし、当時トーレス社はチリに進出したばかりで
カリフォルニアに畑を買う余裕はありませんでした。

最初のワインは、調達したブドウから、
近くにあるワイン醸造施設を借りて手掛けたそうです。

当初はワイナリーの設立には難色を示していたトーレスファミリー。
ところが、マリマーさんが最初に造ったシャルドネを
お父様である先代、ドン・ミゲル・トーレス氏に飲ませたところ

「これまで飲んだ中で一番おいしい白ワインだ!」

と言われ、社内の風向きが変わりました。

もちろん、親心もあったと言いますが、
めったにワインを褒めないトーレス氏が
マリマーさんのシャルドネを絶賛したそうです。

残念ながらその直後に先代のトーレス氏は亡くなりましたが
お母様の支援もあり、念願かなって
ソノマ・コーストの畑を手に入れることができました。























↑ソノマ・コーストにあるスペイン建築のワイナリー

1992年にマリマー・エステートを設立。
最初のピノ・ノワールがリリースされ、そのワインは各方面で賞賛されることとなりました。

マリマーさんがワイン造りについて語った中で印象的だったのが、

「このワイナリーにワインメーカーという職はありません。
 チーム皆で大切にブドウの世話をしてワインを造っているから。」

という言葉。

マリマー・エステートでは限りなく自然なワイン造りを心がけ、
化学肥料は使用せず、2003年からはオーガニック栽培を行い、
カリフォルニアでは珍しくオーガニック認証も取得しています。

また、2010年からはビオディナミに移行中で
ブドウの樹本来の力を引き出すようなワイン造りに努めています。

















↑オーガニック栽培に欠かせない天然のコンポスト(堆肥)

家族からは何度もスペインに戻って来るように言われながらも
遠くカリフォルニアでのワイン造りにこだわり続けたマリマーさん。
自由な国とはいえ、異国の地アメリカにおいて、
女性一人でワイナリーを成功させた努力は並大抵のものではなかったでしょう。
















それでも明るくナチュラルでユーモア溢れる話しぶりのマリマーさんは
そんな苦労は微塵も感じさせません。

そのワインも同様、強くしなやか、
そしてナチュラルな魅力をもっています。















2011年 ラ・マシーア・シャルドネ・ドン・ミゲル・ヴィンヤード
7,000円(7,560円税込)

1エーカーあたり2,000本と、通常の約4倍という
高密度で植樹されたシャルドネ。
ブドウが地中深くに根を張ることによって、
より深みとフィネスのあるワインが生まれるそうです。
洋ナシや熟した白桃の華やかなアロマ。
冷涼な気候による生き生きとした酸が魅力的な1本です。
















2010年ラ・マシーア・ピノ・ノワール・ドン・ミゲル・ヴィンヤード
7,000円(7,560円税込)

単一畑で育てられたピノ・ノワールの6つのクローンをブレンド。
ワイルドベリーのアロマと、シルキーなタンニン。
そして冷涼なロシアン・リヴァーヴァレーならではの
とても生き生きとした果実味が感じられます。
マリマーさん曰く「疲れたときに飲むと元気になるワイン」とのこと。
溌剌とした飲み応えのあるこちらは、まさにそんなイメージにぴったりです。
★パーカーポイント90点を獲得

美味しいシャルドネ、ピノ・ノワールを飲みたいときはもちろん、
がんばっている女性へのプレゼントに
励ましの言葉とともに贈るのもいいかもしれません。

ぜひ一度お試しください♪


▼マリマー・エステートのワイン特集はこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=592




2015年5月12日火曜日

5月13日は「カクテルの日」

明日5月13日は「カクテルの日」です。
皆さんご存じでしたか?

アメリカの新聞で初めて「カクテル」が定義されたのが1806年の5月13日。
その日を、日本のバーテンダー4団体が「カクテルの日」に制定しました。

本日はそんなカクテルの日にちなんで、
これからの暑い季節にぴったりのワインカクテルをご紹介いたします。


















ワインで作るおすすめカクテルその1
<ベリーニ>





















イタリア・ヴェネツィアにある名門バー、ハリーズバーが発祥のカクテル。
ヴェネト特産のスパークリングワイン、プロセッコに
桃のピュレを混ぜて作ります。

フレッシュな桃がない場合は、ピーチネクターなどでOK。
淡いピンク色にするためにグレナデンシロップを入れることもありますが、
写真のベリーニは、無着色の国産白桃ジュースで作りました。
こちらは繊細な甘さで、さっぱり美味しくいただけました♪
桃ジュースの量はお好みで。

ワインはやはりヴェネトのプロセッコがおすすめです。
6月頃からは日本でも桃のシーズンが始まりますが、
フレッシュな桃があれば、本格的なベリーニが作れそうです!























プロセッコの名門が造るドライなプロセッコはカクテルにぴったり。
ベルスター/ビソル 1,700円(1,836円)



ワインで作るおすすめカクテルその2
<キール>




こちらは、フランス・ディジョン市の市長、キールさんが発明したカクテル。
ブルゴーニュの中心にある都市、ディジョン市で
ブルゴーニュ産のアリゴテ種を使った白ワインの消費量を増やすために、
クレーム・ド・カシスを入れて食前酒として楽しむことをプロモーションしたのが始まり。
世界中で大ヒットし、食前酒として定番のカクテルとなりました。

甘いリキュールを加えることで、酸味が強いアリゴテを
より親しみやすくする効果もあります。

作り方はとっても簡単。
白ワインに少量のクレーム・ド・カシスを入れてできあがり。
ワインはアリゴテでなくとも、酸味のあるドライな白ワインなら何でもOKです。
暑い日には、氷をたくさん入れて楽しむのもおすすめ。

ちなみに、白ワインをシャンパーニュに変えると
「キール・ロワイヤル」になります。
とっても贅沢なカクテルですね。
こちらも、もちろんお手頃なスパークリングワインで代用できます。






















ブルゴーニュ・アリゴテ/マトロ 2,000円(2,160円)


白ワインを1本開けたら、最初の1杯はカクテルを作って食前酒に。
2杯目以降は、そのまま食事と楽しむ・・・
なんてちょっと贅沢でお得な気がしませんか?

ぜひお試しください(^^)/

2015年5月6日水曜日

ワインをめぐる物語に酔いしれてみませんか?

ゴールデンウィークも終盤に差し掛かってまいりました。
たくさん遊んだ連休後の週末は、
家でまったり、ワイン片手に読書でもいかがですか?

今回はそんな読書にぴったりの本をご紹介。















『葡萄酒物語 ワインをめぐるとっておきの17話』
文・安齋喜美子 絵・宇野亞喜良 / 小学館

本書は、ワイン&フードジャーナリストの筆者・安齋喜美子さんが
グレース・ケリーやシャネル、ナポレオン、コッポラといった
歴史上の人物にまつわるワインを取り上げ、
史実をもとに想像力をめぐらせながら、
ワインとその人物への愛に溢れる物語を紡いでいます。


例えば、「ルイ・ロデレール」のシャンパーニュをめぐる物語。
『星の王子さま』で知られるフランスの著名な作家、サン=テグジュペリは
若いころからシャンパーニュを愛飲しており、
中でも「ルイ・ロデレール」がお気に入りだったとか。

サン=テグジュペリは、飛行士としても有名でしたが
第二次世界大戦下の1944年、偵察に旅立った後消息を絶ちます。
その行方は永らく不明とされていましたが、
その機体探索に乗り出した一人が、他でもない、
ルイ・ロデレール社の前社長、ジャン・クロード・ルゾー氏でした。


本書では、この偶然のつながりを足掛かりに、
サン=テグジュペリとその妻、コンスエロの愛について物語を紡いでいきます。






















大勢で、または一人でひっそりと。
ワインはどんな時にも楽しむことのできる飲み物。
偽りのない個人の嗜好が表れるからこそ、
ワインにスポットライトを当てると、人物の別の物語が見えてくるのですね。

こうした物語に添えられる
宇野亞喜良さんの想像力をかきたてる美しいイラストも見事!
何度も読み返したくなる魅力に溢れています。

本書を読むと、飲みなれたシャンパーニュも格別の味になりそうです。

週末はワイン片手にじっくりと、ワインをめぐる物語に酔いしれてみませんか?


2015年4月28日火曜日

トスカーナで訪問すべきワイナリートップ5!

もうすぐゴールデンウィーク♪
そろそろ夏休みの計画を立てられるという方も多いのではないでしょうか。

そんな皆様に耳寄りな情報です。
ヨーロッパのホテル経営会社が運営するサイト「Passepartout Homes」が選ぶ

「トスカーナで訪問すべきワイナリートップ5」

が発表され、エノテカでもおなじみの3ワイナリーが見事ランクインしました!!

気になるワイナリーは・・・

1. CASTELLO DI AMA カステッロ・ディ・アマ

「ワイナリーツアーは個人申込みだけの受付で、
 完全なプライヴェート空間で美しい景色を楽しむことができる。」
とコメントされた、キャンティの名門、カステッロ・ディ・アマ。



















標高約500mという高地にあり、ワイナリーからは絶景が広がります。
そしてもう一つ、忘れてはならないのが「アートプロジェクト」。
カステッロ・ディ・アマでは、現代芸術家をワイナリーに招聘して、
ワイナリーに滞在しつつ作品を創ってもらうという試みを行っています。

ワイナリーの敷地内には、こうしてできたアート作品があり
それらを見て回るのも楽しみの一つです。

最近はワインバーとレストランもオープンし、
ますます楽しみが増えたカステッロ・ディ・アマ。
ワイン好き、アート好きの方は必見です!

▼ワイナリー見学の予約は、カステッロ・ディ・アマのHPより▼
  http://www.castellodiama.com/


2. TENUTA SAN GUIDO テヌータ・サン・グイド(サッシカイア)

イタリアが世界に誇るトップワイナリー、サッシカイア。
スーパータスカンのトップを走り続ける、伝説的ワイナリーです。
2,500haという広大な土地を所有しており、中にはブドウ畑だけでなく、
オリーブ畑もあり、大自然の中ではたくさんの馬が育てられています。
(実はサッシカイアの一族は、元来競走馬のビジネスで名を成しました。)


















残念ながらワイナリーで個人ツアー客の受け入れはしていませんが、
テヌータ・サン・グイドが運営する「OSTERIA ENOTECA SAN GUIDO」という
レストラン兼エノテカ(ワインショップ&ワインバー)でサッシカイアのワインと
素朴な地元料理を楽しむことができます♪
















↑OSTERIA ENOTECA SAN GUIDO 
  http://www.enotecasanguido.com/

本場トスカーナの地で、地元の食事と共にサッシカイアを堪能したいという
ファンにはたまりませんね!


3. ANTINORI アンティノリ

イタリア全土にワイナリーを所有する、スーパーワイナリー、アンティノリ。
実は2013年に、フィレンツェから少し離れたトスカーナの中心に新社屋が完成し
そのスケールの大きさと、建物の美しさが大きな話題となっています。



















↑ワイナリーの外観。
  建物の大半は地下に埋まっており、景観を生かした現代的な造りです。


巨大なワイナリーの中には、
ワインの醸造設備、セラーにはじまり、
レストラン、図書館、ミュージアムまで(!)様々な施設があり
ワイン好きなら1日中でも飽きずにいられそうです。

















↑地下にある巨大なセラー


こちらは、予約をすればどなたでもワイナリー見学ツアーができます。

▼ワイナリーの見学は、アンティノリのHPより▼


以上、バカンスの参考になさってみてはいかがでしょうか♪


2015年4月21日火曜日

世界で絶賛されるブルゴーニュのネゴシアン、ルシアン・ル・モワンヌよりオーナー来日!

「ブルゴーニュワインを語らせたら右に出る者はいない」
と言われるブルゴーニュのネゴシアン、ルシアン・ル・モワンヌのオーナー、
ムニール・サウマ氏が先日来日し、
ワインショップエノテカ各店でテイスティングイベントが開催されました。















↑元シトー派の僧侶だったというサウマ氏。
 大きな声でワインを熱く語る様子は僧侶というより、まるで政治家。

ルシアン・ル・モワンヌは自らの畑は持たず
一流ドメーヌが所有する最上の畑(特級、一級)のみで造られたワインを
樽で購入し、熟成、瓶詰を行うというネゴシアンスタイルでワインを造っています。

その上、北はジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニー、
そして南はポマール、シャサーニュ・モンラッシェまで
数々のアペラシオンから80ものキュヴェを造り、
そして1つのキュヴェで1~3樽(300~900本)しか仕込まないという
ユニークな方法でワインを造っています。

中でもサウマ氏の一番のこだわりは、

「100年前のワイン造りを再現すること」

100年前は、限りなく自然なかたちでワインを醸造し
そのまま樽に入れて長い間「放置」して熟成させていたそうです。

サウマ氏は、こうした自然なワイン造りこそが
ブルゴーニュの微細なテロワールを表現するために最も適した方法だと言います。
その言葉通り、ルシアン・ル・モワンヌのワインは、
約2年間もの間樽に入れたまま放置され、自然な熟成が進みます
さらには澱引きを一切せず、樽から手作業で瓶詰め。

こうして出来上がるワインは、
緻密で引き締まったタンニンと、最初は固いかなと思うような香りが
時間と共にめまぐるしく変化するのが特徴です。
これも長期の樽熟成によるものでしょうか。

さっそくワインを試飲してみました。


















↑左「ポマール・プルミエ・クリュ・ラ・シャニエール 2012」
  右「ポマール・クロ・ド・ヴェルジェ 2012」

10mほどしか離れていないというポマールの二つの畑。
北側にあるというラ・シャニエールは明るくフローラルな香りとミネラル。
南向きで粘土質土壌というクロ・ド・ヴェルジェは、
重心が低めでスモーキーかつ妖艶なニュアンスがあります。

どちらも時間と共にそれぞれのキャラクターが強く表れ
個性的な味わいに変化していく様が印象的でした。

















かつて中世フランスにおいて、シトー派の僧侶は
ブルゴーニュの偉大な畑を見出し、区画を整備し
現在のアペラシオンの礎を築いた祖とされています。

彼らは抜群のテイスティング能力を生かして、
数々のワインの等級分けを行い、
今日のグラン・クリュ、プルミエ・クリュなどが生まれました。

元シトー派の僧侶というサウマ氏。
やはり類稀なテイスティング能力をもっており、
だからこそ数多くのアペラシオンのワインの個性を的確にとらえ
ワインに仕立てることができるようです。

そしてサウマ氏の「ブルゴーニュのテロワールをありのままに表現したい」
という想いは、かつてのシトー派の僧侶たちが目指した
理想に通じるものがあります。























↑どうしても元僧侶には見えないサウマ氏(笑)

実は今回のテイスティングで、ソムリエやワイン愛好家の方々が
大絶賛していたのが、彼がローヌで造るシャトーヌフ・デュ・パプ
こちらはルシアン・ル・モワンヌが所有する自社畑のブドウ100%から造られます。
畑は、なんとあのシャトー・ラヤスのすぐ側という絶好の立地にあるとか。

















ブルゴーニュワインに通じるエレガンスを備えた
透明感あふれるシャトーヌフ・デュ・パプ。
是非お試しください。


▼ルシアン・ル・モワンヌが造るシャトーヌフ・デュ・パプ特集はコチラ▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=Z2

▼ルシアン・ルモワンヌが造るブルゴーニュ特集はコチラ▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=149


2015年4月14日火曜日

小説家・平野啓一郎さん登場!第3回文学ワイン会『本の音 夜話(ほんのね やわ)』

先月、ワインショップ・エノテカ 銀座店 カフェ&バー エノテカ・ミレにて、
3回文学ワイン会『本の音 夜話(ほんのね やわ)』が開催されました。

文学ワイン会とは、毎回1人の作家をゲストでお迎えし、
おいしいワインを飲みながらお話を聴くという、
文学とワインが同時に楽しめるイベントです。

そして第3回目のゲストとして、
芥川賞作家の平野啓一郎さんにご登場いただきました。
















文化庁の文化交流使として、パリに1年間滞在した経験がある平野さん。
それをきっかけによくワインを飲むようになったそう。

 「パリのカフェやレストランに行くと、大体サンセールがあるんですよ。
  パリでは夏、ビールよりも白ワインを飲む人が多く、
  そういうときによくこれを飲んでいました。
  サンセールを飲むと懐かしい気持ちになります」

そのエピソードに合わせてお出ししたのが、パスカル・ジョリヴェのサンセール。
グラスを傾けつつ、トークを進めていただきました。

 「ブルーノートではお酒を飲みながら聴けるでしょう。
  文学の話もそういうライブハウスみたいに、
  お酒を飲みながら聴いてもらうのもいいかなあと」

学生時代には3年間のバーテンダー経験もあり、
そのユニークなエピソードは会場を大いに沸かせていました。
















最新小説は、31日から毎日新聞朝刊で連載中の『マチネの終わりに』。
“マチネ”とは、コンサートの「昼の部」の意味。
このタイトルを決めるのにとても苦労したとのこと。
始まりだけで数百枚が没になったそうです。

そのテーマは“恋愛”。


 「純文学というジャンルで、いわゆる恋愛小説って意外と少ないんです。
  恋愛が扱われているけど、小説の全体を見ると
  あくまでも一要素に過ぎない感じがします。

  恋愛小説とは何かというのを考えていろいろ読んでいたんですけど、
  ゲーテの『親和力』もトルストイの『アンナ・カレーニナ』も、
  恋愛が中心的な主題ですが、恋愛小説というのかというと、ちょっとためらわれます

そうして描かれるのは、今の時代を捉えた大人の恋愛小説。

 「目指すのは、ページをめくる手がとまらない、というよりも、
  ページをめくる手を止めて、ゆっくり読みたくなる小説です。
  文明の発展で今、人間は疲れていて、テクノロジーが進歩すればするほど、
  人間は今後未来永劫、疲れ続ける存在なのでは、という気がします。
  そんな中、小説を読むということはどういう意味があるのか。
  小説を読む時間だけは、違うテンポを体験してほしい、と思っています」 






















平野さんが繰り出す面白いエピソードやトークに、会場は何度も笑いの渦に包まれました。
加えて、現代の小説の在り方や創作への深い思いがお伺いできる、
大変に貴重なひと時となりました。

☆次回の「本の音 夜話(ほんのね やわ)」は20155月に開催予定です。

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