2015年2月26日木曜日

第2回文学ワイン会『本の音 夜話(ほんのね やわ)』、 作家・角田光代さんをお迎えして開催!


先月、ワインショップ・エノテカ 銀座店 カフェ&バー エノテカ・ミレにて、
2回文学ワイン会『本の音 夜話(ほんのね やわ)』が開催されました。

文学ワイン会とは、毎回1人の作家をお迎えし、
おいしいワインを飲みながら作家のお話を聞くという、
文学とワインが同時に楽しめるイベントです。

そして第2回目のゲストとして、直木賞作家の角田光代さんが登場されました。
















著書『紙の月』が映画化されたことも記憶に新しく、
ベストセラー作家として目覚ましい活躍をされている角田光代さん。
実は大変お酒が好きで、ワインもよく飲まれるとか。

「ワインは好きというよりも、私にとって二日酔いが一番軽いお酒が赤ワイン。笑
毎日ひとりで1本空けます。夕食の支度をしながら飲むことが多いですね」

そして断然赤ワイン派。

「飲むのはすべて赤ワイン。そのためどんな料理にも赤ワインを合わせます。
数の子でも。合わないなあと思いながら赤ワインを飲みます。笑」

特に好みはどっしり重め。
会場で供されたワイン、イタリア・サルデーニャ島のモンテッス
大変気に入っていただけたようで、
角田さんからも「すごく美味しい!」と繰り返し言っていただきました。























トークは進み、話は小説の面白さについて及びました。

「小説の面白さはディテールもあるけど、それだけでもなく、
ねじふせる力みたいなものが生まれる場合があります。
それは絶対、著者も意図して作れない。
小説がいつ生命を持って動き出すかは、本当に誰一人わからない。
それはひとつの奇跡なんです。
そして読む側はその渦に巻き込まれてしまうかんじなんだと思います」

近刊の“日本人の精神史”を描き出した笹の舟で海をわたる』は
作者の角田さん自身も意図せずそうした渦が巻き起こってしまった作品。

結果、『本の雑誌』2014年ベスト10の第一位という高い評価を受けました。















笹の舟で海をわたる』/角田光代
毎日新聞社

会の最後には、気さくにお客様の質問に答えたり、人生相談に乗る場面も。
どんどん杯を重ねながらお話される角田さん。
くつろいだ角田さんのお話は会場をおおいに沸かせ、
終始楽しい雰囲気に包まれた、大変貴重な一夜となりました。

☆次回の「本の音 夜話(ほんのね やわ)」は20153月17日(火)に
小説家の平野啓一郎さんをお迎えして開催いたします。
※ご好評につきチケットは完売いたしました。


2015年2月19日木曜日

予想の倍以上の売上を記録した「ムートン蔵出しオークション」

本日は旧正月の春節。

今年は、円安や観光ビザの影響もあって
中国から日本への観光客が例年以上に多く
観光業界は大いに盛り上がっているようですね。

そんな中国・香港で先月末行われた、
サザビーズでのシャトー・ムートン・ロスチャイルド蔵出しのムートンオークション。

今年の干支、未年(羊)にちなんで実施された
シャトー・ムートン・ロスチャイルドから蔵出しされるという
大変貴重なオークションでした。

その結果は、予想の倍以上の
落札総額約4百万米ドル(4.7億円)という売上!!















※サザビーズのプレスリリースより

出品したワイン全てが完売。
そして97%が予想金額を上回る金額で落札されました。

最も高額で取引されたロットは
1945-201268ヴィンテージセット(1958&1963)
38万米ドル(約4,400万円)






















今年は未年(ムートン)、
そして昨年亡くなったフィリピーヌ男爵夫人への追悼も込めての
特別なオークションだったようですが、
それにしてもシャトーも驚く結果だったようです。

中国での消費が冷え込み始めたと言われるワインですが
この結果を見ると、まだまだその熱は冷めてはいないようですね。


2015年2月3日火曜日

現代芸術家、杉本博司氏が手掛けたカステッロ・ディ・アマのアートプロジェクト

キャンティ・クラシコの巨匠、カステッロ・ディ・アマ。
昨年末にはそのワイン「サン・ロレンツォ・キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ」が
ワインスペクテーターの「年間トップ100」の
トップ6位にランクインし、(イタリアワインでは最高順位)
イタリアのトップワイナリーとしての存在感を示したことも記憶に新しいですね。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
カステッロ・ディ・アマは毎年現代アーティストをワイナリーに招いて、
ワイナリー内で自由にアート作品を作成してもらう、
という“サイトスペフィックアートプロジェクト”を行っています。

実はアートプロジェクトの記念すべき15周年記念の2014年に
このアートを手掛けたのは、日本を代表する現代芸術家、杉本博司氏だったのです。
オーナーであるマルコ・パランティ氏たっての希望で、
この杉本氏のプロジェクトが実現したそうです。
















“Confession of Zero”と名付けれらた杉本氏の作品。

カステッロ・ディ・アマの広大な敷地内にある
古い礼拝堂に作られました。

カステッロ・ディ・アマのHPより
杉本氏のインタビューや制作の様子が収められた映像を見ることができます。

http://www.castellodiama.com/en/video/

カステッロ・ディ・アマの敷地内には毎年異なるアーティストが訪れ、
その土地の雰囲気を把握したうえで作品を手掛けています。
















こちらはフランス人の現代芸術家、ダニエル・ビュランの作品。


オーナーであり醸造責任者であるマルコ・パランティ氏は

「醸造家の仕事はオーケストラの指揮者のようなもので、
与えられるブドウ(=楽曲)は一緒。しかし醸造家の感受性次第で、ワインは変わってくる。
これはアーティストにも同じことが言える。
ワインには現代的な味覚が必要であるため、新しいことを恐れてはならないし、
新しい解釈も必要。こうしたことはすべてアートと共通する。」

と語っています。
















マルコ・パランティ氏
(ヨウジヤマモトの服が大好きだそうです。)

アートプロジェクトに象徴されるように
常に新しい視点を取り入れているからこそ、
カステッロ・ディ・アマでは常に時代の先取りをした
多くの人に受け入れられる素晴らしいワインが生まれるのですね。