今年もあと少し。
新たな年の初めには、新しい勉強を始めるという方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな方におすすめの本をご紹介します。
それはこちら。
これが最後のワイン入門 / 山本昭彦
講談社
帯には、
--できの悪い教科書!ちっとも頭に入らない!巷に満ちる「ワイン入門」への
怨嗟の声を、きれいさっぱり一掃します!!--
と、何とも刺激的な文言が並んでいます。
著者の山本氏は、読売新聞記者を経て、
現在はフリーのワインジャーナリストとして、
そしてアカデミー・デュ・ヴァンの講師としても活躍。
『死ぬまでに飲みたい30本のワイン』や、『ボルドー・バブル崩壊』(講談社+α新書)
といった著書がありますが、ワイン入門本を手掛けるのは本書が初めて。
本書は、ワインの造り方から始まって、おすすめの入門ワイン、
テイスティングのイロハや世界のワイン産地事情まで、
章を読み進めるうちにワインの知識が深まっていく構成です。
そしてジャーナリストらしく、ワイン界のトレンドも織り交ぜたコラムや
注目の生産国に関する解説はさすが!
「ワインに興味はあるけれど、どうも難しそうで入り口で二の足を踏んでいる」
「ワインはよく飲むし好きなのに、そこから先に進めない。いつまでたっても初心者気分。
なんとかその段階を抜け出したい」
そんな方々を対象としたという本書。
ワインの知識には自信があるという方も、目からウロコの情報がたくさんです。
新年のワインライフ初めに、一度手に取ってみてはいかがですか?
▼山本氏のブログ「ワインレポート」はコチラ▼
http://winereport.blog.fc2.com/
2014年12月30日火曜日
2014年12月23日火曜日
醸造家が憧れる醸造家が来日!ドメーヌ・デ・ランブレイ
特級畑、クロ・デ・ランブレイで有名なドメーヌ・デ・ランブレイ。
クロ・デ・ランブレイは、ランブレイが約99%以上を所有していおり、
ほぼモノポールの畑として有名です。
クロ・デ・ランブレイは、ランブレイが約99%以上を所有していおり、
ほぼモノポールの畑として有名です。
さて、そんなドメーヌ・デ・ランブレイより
醸造長を務めるティエリー・ブルーアン氏が来日しました。
彼は1980年に醸造長に抜擢された後、
30年以上に渡り醸造長を務め続け、
なんと35回もランブレイを収穫していうという、
なんと35回もランブレイを収穫していうという、
ブルゴーニュでも稀有な存在です。
14世紀にはシトー派の文献にその名が登場し、
特急並みの評価を受けながら1級にとどまっていた畑、クロ・デ・ランブレイ。
1980年にティエリー氏が醸造長に抜擢され、様々な改革を推し進めた結果、
AOC施行後初めての1級から特級への昇格が認められる畑となりました。
そんな凄腕の醸造家、ティエリー氏は
もちろんワイン造りに並々ならぬこだわりと情熱をもっています。
まず、ブドウ栽培は、農薬、化学肥料は使用せず、
限りなくビオディナミに近い農法で行い、
土は馬で耕すことによってやわらかくし、
ランブレイの特徴でもある古樹が、土の奥まで深く根を張ることができるよう
急斜面の東向きという絶好の立地に広大な畑を所有
そして何といっても一番ユニークなのが
「極力除梗しない」という醸造法。
除梗とは、ブドウに付いている茎を完全に取り除いて発酵を行うこと。
未熟な茎を残したまま発酵を行うと、エグミや青臭さが生まれることがあり、
ブルゴーニュでは除梗を行う生産者が多いと言われています。
そんな中、ティエリー氏は、
1985年に初めて部分的にブドウの茎を入れてワインを醸造。
その結果が良かったことから、毎年徐々にその比率を上げ
2011年は100%、つまり全房発酵を行ったそうです。
除梗を行わないことによって、発酵の際に温度が上がりすぎず
ゆっくりと発酵が進むことや、茎からタンニンや酸といった成分が抽出でき
ワインに骨格が生まれるそうです。
もちろん、茎が完熟していることが前提なので、
ヴィンテージによっては、除梗を行うこともあるそうです。
近年ではブルゴーニュはもとより、他の銘醸地でも全房発酵が
注目されているようですが、ティエリー氏ははるか前から取り組んでいたのですね。
「ウフ・アン・ムレット※赤ワインのソースにポーチ・ド・エッグを乗せたブルゴーニュの名物料理」 ティエリー氏曰く、クロ・デ・ランブレイに合う鉄板料理だそうです。
一人の醸造家が造れるワインは1年にたった1回限り。
ワインの醸造家は、「生きている間にあと何回ワインが造れるか」
そんなことを考えながらブドウを収穫しているそうです。
ワインの醸造家は、「生きている間にあと何回ワインが造れるか」
そんなことを考えながらブドウを収穫しているそうです。
そんな中、同じ畑で35回もブドウを収穫し、
毎年改良を重ねながら最上のワインを作り続けてきたティエリー氏は、
愛好家たちにとってはもちろん、醸造家たちにとっても
憧れの存在なのではないでしょうか。
そんなティエリー氏が造るワインは、今まさに円熟の境地を迎えています。
毎年改良を重ねながら最上のワインを作り続けてきたティエリー氏は、
愛好家たちにとってはもちろん、醸造家たちにとっても
憧れの存在なのではないでしょうか。
そんなティエリー氏が造るワインは、今まさに円熟の境地を迎えています。
御年65歳のティエリー氏。
実は今年、ドメーヌ・デ・ランブレイは
シャトー・ディケムやドン・ペリなどを所有する
LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)グループに買収されました。
LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)グループに買収されました。
向こう2年間はティエリー氏がワイン造りを行いますが、
それ以降は、コンサルタントとして後継者を指導する立場になるとのこと。
ますます入手困難が予想される、ランブレイのワイン。
要注目です!
▼ドメーヌ・デ・ランブレイのワインはコチラ▼
2014年12月8日月曜日
第1回文学ワイン会『本の音 夜話(ほんのね やわ)』開催
先日、ワインショップ・エノテカ 銀座店 カフェ&バー エノテカ・ミレにて
開催された第1回文学ワイン会『本の音 夜話(ほんのね
やわ)』。
文学ワイン会とは、ゲストに作家をお迎えして、おいしいワインを飲みながら作家のお話を聞くという、文学とワインが同時に楽しめるイベントです。
そして第1回目のゲストとして、
小林エリカさん(作家・マンガ家)が登場されました。
著書『マダム・キュリーと朝食を』(集英社)で
第151回芥川賞候補となった小林エリカさん。
本書について
「この本は自分で初めて書きたいように書いた本。
この本を書いて改めて、一瞬一瞬の選択を切実に感じています。
過去の時間は確実に“いま”に繋がっていて、すべて過去に起こったことが、
“いま”をもたらしています。
(いろんな時代を自在に行き来する『マダム・キュリーと朝食を』では)
各時代の一瞬の光を感じてもらえたらうれしいですし、
“この先は自分のこと”と思ってもらえるような小説を書きたいです」と小林さん。
会場で供されたワインは「ムートン・カデ・レゼルヴ・メドック」。
なんとこのワインを造るバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドの
ロスチャイルド家が、キュリー夫人を支援する
「キュリー財団」を設立したという、所縁のあるワインです。
「今飲んでいるワインが、遠い昔の歴史的な史実と関係がある」
それは小林さんの小説のテーマにある
「過去の時間は確実に“いま”に繋がっている」という
ことと見事にリンクして、ワインを飲みながら不思議な感慨に包まれました。
食について書くことも、また食についての読み物も大好きだという小林さん。
参加されたお客様は、小林エリカさんの著書だけにとどまらない
さまざまなエピソードを聞きながら、ワインを楽しんでいらっしゃいました。
このイベントは、ワインショップ・エノテカ 銀座店 カフェ&バー エノテカ・ミレ
にて、2ヵ月に1回ほどのペースで開催していくとのこと。
次回は2015年1月開催予定で、次回のゲストは角田光代さんです。
第2回文学ワイン会にもどうぞご期待ください!
▼第二回文学ワイン会の詳細はコチラ▼
2014年12月2日火曜日
ジャンテ・パンショより、シャイな三代目ファビアン・ジャンテ氏来日
ブルゴーニュ・ジュヴレ・シャンベルタンのジャンテ・パンショより、
次期当主である3代目のファビアン・ジャンテ氏が
新ヴィンテージ2012年のプロモーションと、
ロワールのアルフォンス・メロとの共同プロジェクト「ペニタン」
お披露目のために来日しました。
ドメーヌ・ジャンテ・パンショは1954年に先代のエドモン・ド・ジャンテ氏が設立したドメーヌ。
最初はたった1ヘクタールの畑から始まり、
1978年にエドモン氏の息子である現当主、ヴァンサン・ジャンテ氏が継ぎ、
ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニーに畑を拡大。
現在は25ヘクタールを所有するまでになりました。
↑3世代でワインを造り続けるジャンテ・ファミリー
そのワインはどのアペラシオンを飲んでも
「ジャンテ・パンショのワインだ!」とわかるような明確な個性が特徴。
凝縮したみずみずしい果実味に定評があります。
ファビアン氏曰く、ドメーヌではやはり
「果実の味わいが主体のワインを目指している。」とのこと。
その為にはブドウの質が最も重要となるため、
8割の時間を畑で過ごし、畑仕事に時間を費やしているそうです。
そしてもう一つのこだわりが、収穫後の選果の厳しさ。
なんと選果台に4つの段階を設けて、厳しくブドウをチェックしているそうです。
「これほどまでに厳しく選果をしているドメーヌは、
ブルゴーニュ中探してもそうそういないよ!」
とは、ディーヴァ・ブルゴーニュのポール・バラン氏のコメント。
こうして最高の状態のブドウだけを使って造るからこそ、
純粋で綺麗な果実味が生まれるのですね。
ジャンテ・パンショでは今年ワイナリーを改装し
一次発酵を行うタンクもコンクリートから全て木樽に刷新したそうです。
木樽は、コンクリートと比べて自然な味わいが生まれ、
ヴィンテージの個性に自分達らしさを加えることができるのが特徴で、
その為にコストをかけて木樽発酵に切り替えたそうです。
そして、ジャンテ・パンショにおける今年一大ニュース!
それは、ロワール指折りの生産者、アルフォンス・メロと
共同で造ったワイン、「ペニタン」のリリースです。
アルフォンス・メロ氏とヴァンサン・ジャンテ氏は友人同士で
「一緒にワインを造らないか?」というアルフォンス・メロからの呼びかけで
このプロジェクトが始まったそうです。ブドウは完全にビオディナミ。
「ペニタン=ペニシェント(辛い)の造語」という名前の由来は、
そのワインが造られる土地が、住む人もおらず非常に不便な場所にあり
そこに行くのが罰ゲームのようだった、という自虐的なユーモアがこめられています。
白はアルフォンス・メロが、赤はジャンテ・パンショが手掛けるというだけあって
それぞれの特徴が出ており、共作の面白さを感じることができます。
↑ファビアン・ジャンテ氏 とってもシャイです。
ファビアン氏は若干28歳という若さながら
18歳の時からワイナリーで働き始めたという経験の持ち主。
自らの意思でボルドーの大手シャトーを選び、
2年間の修行を積んでドメーヌに戻ってきました。
「ワイナリーを継ぐことに迷いはなかったのですか?」
との質問に対しては、「全くなかった。小さいころから、
自分はワイン造りに関わることになると当然のように思っていた。」
との答え。
そして最後に、3代目としての野望を伺うと、
「ない。畑を増やす予定はないし、大きな改革をする予定もない。
ただ、尊敬している父親からは、いつ飲んでもおいしい、
喜びのあるワインを造るように、と言われている。
それを守りながら、よりよいワインを造りたい。」
と、小さな声で、でも迷うことなく答えてくれたファビアン氏。
シャイだけど実直な人柄が十分に伝わってきました。
これならドメーヌの将来も安泰ですね。
▼ジャンテ・パンショのワインはコチラ▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=265
▼ペニタンのワインはコチラ▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=VM
次期当主である3代目のファビアン・ジャンテ氏が
新ヴィンテージ2012年のプロモーションと、
ロワールのアルフォンス・メロとの共同プロジェクト「ペニタン」
お披露目のために来日しました。
最初はたった1ヘクタールの畑から始まり、
1978年にエドモン氏の息子である現当主、ヴァンサン・ジャンテ氏が継ぎ、
ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニーに畑を拡大。
現在は25ヘクタールを所有するまでになりました。
↑3世代でワインを造り続けるジャンテ・ファミリー
そのワインはどのアペラシオンを飲んでも
「ジャンテ・パンショのワインだ!」とわかるような明確な個性が特徴。
凝縮したみずみずしい果実味に定評があります。
ファビアン氏曰く、ドメーヌではやはり
「果実の味わいが主体のワインを目指している。」とのこと。
その為にはブドウの質が最も重要となるため、
8割の時間を畑で過ごし、畑仕事に時間を費やしているそうです。
そしてもう一つのこだわりが、収穫後の選果の厳しさ。
なんと選果台に4つの段階を設けて、厳しくブドウをチェックしているそうです。
「これほどまでに厳しく選果をしているドメーヌは、
ブルゴーニュ中探してもそうそういないよ!」
とは、ディーヴァ・ブルゴーニュのポール・バラン氏のコメント。
こうして最高の状態のブドウだけを使って造るからこそ、
純粋で綺麗な果実味が生まれるのですね。
ジャンテ・パンショでは今年ワイナリーを改装し
一次発酵を行うタンクもコンクリートから全て木樽に刷新したそうです。
木樽は、コンクリートと比べて自然な味わいが生まれ、
ヴィンテージの個性に自分達らしさを加えることができるのが特徴で、
その為にコストをかけて木樽発酵に切り替えたそうです。
そして、ジャンテ・パンショにおける今年一大ニュース!
それは、ロワール指折りの生産者、アルフォンス・メロと
共同で造ったワイン、「ペニタン」のリリースです。
アルフォンス・メロ氏とヴァンサン・ジャンテ氏は友人同士で
「一緒にワインを造らないか?」というアルフォンス・メロからの呼びかけで
このプロジェクトが始まったそうです。ブドウは完全にビオディナミ。
「ペニタン=ペニシェント(辛い)の造語」という名前の由来は、
そのワインが造られる土地が、住む人もおらず非常に不便な場所にあり
そこに行くのが罰ゲームのようだった、という自虐的なユーモアがこめられています。
白はアルフォンス・メロが、赤はジャンテ・パンショが手掛けるというだけあって
それぞれの特徴が出ており、共作の面白さを感じることができます。
↑ファビアン・ジャンテ氏 とってもシャイです。
ファビアン氏は若干28歳という若さながら
18歳の時からワイナリーで働き始めたという経験の持ち主。
自らの意思でボルドーの大手シャトーを選び、
2年間の修行を積んでドメーヌに戻ってきました。
「ワイナリーを継ぐことに迷いはなかったのですか?」
との質問に対しては、「全くなかった。小さいころから、
自分はワイン造りに関わることになると当然のように思っていた。」
との答え。
そして最後に、3代目としての野望を伺うと、
「ない。畑を増やす予定はないし、大きな改革をする予定もない。
ただ、尊敬している父親からは、いつ飲んでもおいしい、
喜びのあるワインを造るように、と言われている。
それを守りながら、よりよいワインを造りたい。」
と、小さな声で、でも迷うことなく答えてくれたファビアン氏。
シャイだけど実直な人柄が十分に伝わってきました。
これならドメーヌの将来も安泰ですね。
▼ジャンテ・パンショのワインはコチラ▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=265
▼ペニタンのワインはコチラ▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=VM
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