2014年12月23日火曜日

醸造家が憧れる醸造家が来日!ドメーヌ・デ・ランブレイ


特級畑、クロ・デ・ランブレイで有名なドメーヌ・デ・ランブレイ。
クロ・デ・ランブレイは、ランブレイが約99%以上を所有していおり、
ほぼモノポールの畑として有名です。

さて、そんなドメーヌ・デ・ランブレイより
醸造長を務めるティエリー・ブルーアン氏が来日しました。
彼は1980年に醸造長に抜擢された後、
30年以上に渡り醸造長を務め続け、
なんと35回もランブレイを収穫していうという、
ブルゴーニュでも稀有な存在です。






















14世紀にはシトー派の文献にその名が登場し、
特急並みの評価を受けながら1級にとどまっていた畑、クロ・デ・ランブレイ。
1980年にティエリー氏が醸造長に抜擢され、様々な改革を推し進めた結果、
AOC施行後初めての1級から特級への昇格が認められる畑となりました。

そんな凄腕の醸造家、ティエリー氏は
もちろんワイン造りに並々ならぬこだわりと情熱をもっています。

まず、ブドウ栽培は、農薬、化学肥料は使用せず、
限りなくビオディナミに近い農法で行い、
土は馬で耕すことによってやわらかくし、
ランブレイの特徴でもある古樹が、土の奥まで深く根を張ることができるよう
細心の注意を払っています。
















急斜面の東向きという絶好の立地に広大な畑を所有

そして何といっても一番ユニークなのが
「極力除梗しない」という醸造法。
除梗とは、ブドウに付いている茎を完全に取り除いて発酵を行うこと。
未熟な茎を残したまま発酵を行うと、エグミや青臭さが生まれることがあり、
ブルゴーニュでは除梗を行う生産者が多いと言われています。

そんな中、ティエリー氏は、
1985年に初めて部分的にブドウの茎を入れてワインを醸造。
その結果が良かったことから、毎年徐々にその比率を上げ
2011年は100%、つまり全房発酵を行ったそうです。

除梗を行わないことによって、発酵の際に温度が上がりすぎず
ゆっくりと発酵が進むことや、茎からタンニンや酸といった成分が抽出でき
ワインに骨格が生まれるそうです。
もちろん、茎が完熟していることが前提なので、
ヴィンテージによっては、除梗を行うこともあるそうです。
近年ではブルゴーニュはもとより、他の銘醸地でも全房発酵が
注目されているようですが、ティエリー氏ははるか前から取り組んでいたのですね。





















「ウフ・アン・ムレット※赤ワインのソースにポーチ・ド・エッグを乗せたブルゴーニュの名物料理」 ティエリー氏曰く、クロ・デ・ランブレイに合う鉄板料理だそうです。


一人の醸造家が造れるワインは1年にたった1回限り。
ワインの醸造家は、「生きている間にあと何回ワインが造れるか」
そんなことを考えながらブドウを収穫しているそうです。

そんな中、同じ畑で35回もブドウを収穫し、
毎年改良を重ねながら最上のワインを作り続けてきたティエリー氏は、
愛好家たちにとってはもちろん、醸造家たちにとっても
憧れの存在なのではないでしょうか。
そんなティエリー氏が造るワインは、今まさに円熟の境地を迎えています。





















御年65歳のティエリー氏。

実は今年、ドメーヌ・デ・ランブレイは
シャトー・ディケムやドン・ペリなどを所有する
LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)グループに買収されました。
向こう2年間はティエリー氏がワイン造りを行いますが、
それ以降は、コンサルタントとして後継者を指導する立場になるとのこと。

ますます入手困難が予想される、ランブレイのワイン。
要注目です!

▼ドメーヌ・デ・ランブレイのワインはコチラ▼



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