2017年1月21日土曜日

徹底解説!「アマローネ」のつくり方

最近リリースした「アマローネ」特集が想像を上回る反響をいただいており
その人気の底力を実感している今日この頃・・

独自製法による、インパクトのある唯一無二の味わいに、
ワイン初心者の方でもハマってしまう方が多いようです。

今回はイタリアを代表する銘酒の一つ、アマローネのつくり方をご紹介します。






















アマローネが造られるのは、イタリア・ヴェネト州。
ワインの生産量は長らくイタリアトップの座を占めており、
手頃なワインから、アマローネに代表されるような高級ワインまで
幅広いワインが造られ、ヴェローナでは国際見本市ヴィニタリーが毎年開かれ
「イタリアワインの首都」と知られている州です。

アマローネに使用される主なブドウ品種は、コルヴィーナ・ヴェロネーゼ。
これに、ロンディネッラやオゼレッタといった補助品種をブレンドします。

コルヴィーナ・ヴェロネーゼはヴェネト州を代表する高貴な黒ブドウで、
アマローネには40%95%のブレンドが認められています。
房は中程度の大きさ。ブドウの実は厚い皮に覆われ、濃い紫がかった色合いです。






















↑コルヴィーナ・ヴェロネーゼ


9月末から10月初旬にかけて、
完熟したブドウは厳しく選果しながら手摘みで収穫されます。


















通常のワインの場合、収穫したブドウはすぐ醸造所に運ばれ
圧搾して発酵へ進むのですが、
アマローネの場合ここからが重要なポイント。


アマローネ用のブドウは、専用の乾燥室に運ばれ、
ここで数か月「アパッシメント=陰干し」作業が行われます。

伝統的には、陰干しには葦で造られた棚「アレーレ」を使用したり、
天井から紐でブドウをつりさげて乾燥させる方法がありますが、
こうした方法にはカビ菌が繁殖するなどのリスクがあるため、
現在では清潔なプラスチックケースに入れて乾燥させる生産者も多いようです。









↑葦で造られた伝統的な棚「アレーレ」
























↑天井から吊るして乾燥させる伝統製法




















↑プラスチックケースに入れて乾燥させる現代的な製法
1998年に完成した、アレグリーニの巨大な乾燥施設「テッレ・ディ・フマーネ」


乾燥施設に入れられたブドウは、約100日を経て、
収穫翌年の1月頃、ようやくアマローネ用の陰干しブドウとなります。


【陰干し前】






















陰干し後は、こんな姿に!!


【陰干し後】























ブドウは陰干しすることによって水分が失われ、
その分糖度やエキス分が濃くなります。

この高い糖度をあえて残して仕上げるワインが「レチョート」。
甘口の「レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ」などが知られています。

対してアマローネは、高くなった糖度をほぼすべて発酵させてアルコールに変えるため、
アルコール度数が高く(アマローネの法定アルコール度数は14度以上)、
リッチでヴォリュームに富んだ辛口のワインが完成するのです。

アマローネとは、後味に残る苦味(Amaro)に由来すると言われています。
日本人としては、アマローネと聞くと語感的に甘い風味を連想してしまいますが、
全く逆の意味なのですね。






















アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ/アレグリーニ
10,000 円 (10,800 円 税込)


こうして手間暇かけてようやく生み出されるワインは、
あまりの稀少性にかつては王侯貴族しか口にできなかったといわれるほど。
ゴージャスな味わいもさることながら、お値段もなかなかというのがアマローネ。

そこで、アマローネの生産者達がこぞってリリースしているのが
別名“ベイビー・アマローネ”と言われる「リパッソ」タイプのワイン。























リパッソとは「元に戻す」という意味の二重発酵。
アマローネを造る際に使用したブドウの搾りかすに、
フレッシュなワインを注ぎ入れ2次発酵を行います。


生産者によっては、通常のワインに
アマローネと同じ陰干しブドウそのものを加えて2次発酵を行うことも。

こうしてできたワインは、アマローネのリッチな風味を気軽に味わうことができます。

こちらは、搾りかすではなくアマローネ用のブドウを30%使用した
独自のリパッソタイプ。

 ↓






















パラッツォ・デッラ・トーレ/アレグリーニ
3,800 円 (4,104 円 税込)



ちなみに、濃厚な風味をもつアマローネには、
しっかりとした肉料理が相性抜群。

最後に、アマローネの名門アレグリーニの社長、マリリーザ・アレグリーニさん
一押しの、アマローネに合う料理のレシピをご紹介します。



















↑料理上手で料理教室も主催しているマリリーザさん。


【アマローネにぴったり!おすすめレシピ】

牛肉のパスティッサーダ
~牛肉の赤ワインとスパイス煮込み~



















材料 牛肉約1kg(5cm角)、玉ねぎ大1個(みじん切り)、
ニンジン大1個、セロリ2本 (どちらもさいの目切り)、
バター大さじ1、オリーブオイル大さじ2、トマトペースト大さじ1、
ローズマリー小枝2、セージの葉3~4枚、ローリエ2枚、
シナモン粉末小さじ1/8、ナツメグ粉末小さじ1/8、
アマローネワイン1カップ、塩コショウ

作り方 鍋にバターとオリーブオイルを入れて中火にかける。
肉を加え、焦げ目をつける。肉をいったん取り出し、塩コショウする。
トマトペーストをワインに混ぜておく。
同じ鍋に玉ねぎ、ニンジン、セロリを加え、炒める。
ローズマリーとセージを刻み、シナモン、ナツメグ、ローリエと共に野菜に加える。
ワインを加え、塩で味を整える。肉を鍋に戻し、沸騰したら火を弱める。
25分ごとにかき混ぜながら6時間ことこと煮る。
必要あれば途中水を加え、最後は水分がすべて蒸発するようにする。
ソースは濃厚なのが理想的。
付け合せには北イタリア名物、ポレンタ(トウモロコシの粉を水で煮て練ったもの)を添えて。


寒さ厳しい季節、濃厚なアマローネとスパイスの効いた煮込み料理は、
身体の芯まで温ためてくれそうな組み合わせですね。
ぜひお試しあれ!


 ▼アマローネの特集はこちら▼








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