と言われるブルゴーニュのネゴシアン、ルシアン・ル・モワンヌのオーナー、
ムニール・サウマ氏が先日来日し、
ワインショップエノテカ各店でテイスティングイベントが開催されました。
↑元シトー派の僧侶だったというサウマ氏。
大きな声でワインを熱く語る様子は僧侶というより、まるで政治家。
ルシアン・ル・モワンヌは自らの畑は持たず
一流ドメーヌが所有する最上の畑(特級、一級)のみで造られたワインを
樽で購入し、熟成、瓶詰を行うというネゴシアンスタイルでワインを造っています。
その上、北はジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニー、
そして南はポマール、シャサーニュ・モンラッシェまで
数々のアペラシオンから80ものキュヴェを造り、
そして1つのキュヴェで1~3樽(300~900本)しか仕込まないという
ユニークな方法でワインを造っています。
「100年前のワイン造りを再現すること」
100年前は、限りなく自然なかたちでワインを醸造し
そのまま樽に入れて長い間「放置」して熟成させていたそうです。
サウマ氏は、こうした自然なワイン造りこそが
ブルゴーニュの微細なテロワールを表現するために最も適した方法だと言います。
その言葉通り、ルシアン・ル・モワンヌのワインは、
約2年間もの間樽に入れたまま放置され、自然な熟成が進みます。
さらには澱引きを一切せず、樽から手作業で瓶詰め。
こうして出来上がるワインは、
緻密で引き締まったタンニンと、最初は固いかなと思うような香りが
時間と共にめまぐるしく変化するのが特徴です。
これも長期の樽熟成によるものでしょうか。
さっそくワインを試飲してみました。
↑左「ポマール・プルミエ・クリュ・ラ・シャニエール 2012」
右「ポマール・クロ・ド・ヴェルジェ 2012」
10mほどしか離れていないというポマールの二つの畑。
北側にあるというラ・シャニエールは明るくフローラルな香りとミネラル。
南向きで粘土質土壌というクロ・ド・ヴェルジェは、
重心が低めでスモーキーかつ妖艶なニュアンスがあります。
どちらも時間と共にそれぞれのキャラクターが強く表れ
個性的な味わいに変化していく様が印象的でした。
かつて中世フランスにおいて、シトー派の僧侶は
ブルゴーニュの偉大な畑を見出し、区画を整備し
現在のアペラシオンの礎を築いた祖とされています。
彼らは抜群のテイスティング能力を生かして、
数々のワインの等級分けを行い、
今日のグラン・クリュ、プルミエ・クリュなどが生まれました。
元シトー派の僧侶というサウマ氏。
やはり類稀なテイスティング能力をもっており、
だからこそ数多くのアペラシオンのワインの個性を的確にとらえ
ワインに仕立てることができるようです。
そしてサウマ氏の「ブルゴーニュのテロワールをありのままに表現したい」
という想いは、かつてのシトー派の僧侶たちが目指した
理想に通じるものがあります。
↑どうしても元僧侶には見えないサウマ氏(笑)。
実は今回のテイスティングで、ソムリエやワイン愛好家の方々が
大絶賛していたのが、彼がローヌで造るシャトーヌフ・デュ・パプ。
こちらはルシアン・ル・モワンヌが所有する自社畑のブドウ100%から造られます。
畑は、なんとあのシャトー・ラヤスのすぐ側という絶好の立地にあるとか。
ブルゴーニュワインに通じるエレガンスを備えた
透明感あふれるシャトーヌフ・デュ・パプ。
是非お試しください。
▼ルシアン・ル・モワンヌが造るシャトーヌフ・デュ・パプ特集はコチラ▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=Z2
▼ルシアン・ルモワンヌが造るブルゴーニュ特集はコチラ▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=149
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