2015年10月16日金曜日

ナイトハーヴェスト初体験!

今日本のワイナリーは続々と収穫を終えているようですね。
 
実はエノテカ・スタッフ有志がブドウの収穫、
しかもナイトハーヴェストを初体験してきました!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

↑サントネージュワイン
 
収穫に参加させていただいたのは、
先日ブログで紹した、山梨のサントネージュワイン。
1947年創業、いち早く欧米品種の栽培に取り組んできたワイナリーです。

今回ナイトハーヴェストを実施する牧丘倉科畑は、
日本一の巨峰産地として知られる山梨市牧丘町にある
サントネージュワインが自社所有する畑。
標高750mという高地にあります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

↑こちらは8月に撮影した昼間の牧丘倉科畑。右上に富士山が見えます。
 
ナイトハーヴェストとは、真夜中にブドウを収穫すること。
なぜ真夜中に実施するかというと、
ブドウは気温が低い真夜中の時間帯が
最もフレッシュなアロマと果実味を備えており、
その時間帯に収穫することで、
アロマに富んだフレッシュなブドウを手に入れることができるそうです。
 
今回ナイトハーヴェストを実施したのはシャルドネ。
サントネージュワインでは、
数年前からシャルドネのナイトハーヴェストに取り組んでおり
これによって劇的に品質が向上したそうです。
 
たった1haの畑に、カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネが植えられています。
晩熟のカベルネの収穫はまだ先、
ということでシャルドネのナイトハーヴェストが先に始まりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

総勢19名がワイナリーに集合し、
車に分乗して約15分で倉科畑に到着。
午前3時から収穫が始まります。
 
畑は山の中腹にあり、真っ暗な中をライトの明かりを頼りに進みます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

↑ヘッドライトを付けてブドウを収穫。
 新梢から3房目以降のブドウは、もったいないですが切り落としてしまいます。
 
前日からの冷え込みで、体感気温は12月のような寒さ。
それに加えて、収穫するシャルドネもとても冷たい!
手がかじかんできますが、
この冷たさが美味しいワインにとって大切、と思いながら
ハサミで手を切らないように慎重に収穫を進めます。
シャルドネを口に入れてみると、その甘さに驚きました。
 
今年は日本ワインにとって厳しい年でした。
7月の長雨によって、ブドウは成熟不足や腐敗に悩まされたそうです。
今回の収穫の前日に3人がかりで1日かかって
そうした未熟果や腐敗果を取り除く作業を行いましたが、
それでも取りきれなかったブドウの房や粒は、
収穫作業中にライトで照らしながら、丁寧に取り除いていきます。
 
結果、今回の収穫量は去年より大幅に減少してしまいましたが
それも例年以上に厳しい選果をしているがゆえ。
 
作業開始から約2時間。
5時頃に全ての収穫作業が終わり、
トラックにブドウが入ったカゴを載せて、早速ワイナリーへ戻ります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

↑夜明けの倉科畑。昼間とはうって変わって、藍色の稜線が美しい。
 
 
収穫後のブドウは鮮度が命!
ワイナリーに戻ったら、早速圧搾作業が始まります。
 


 
 
 

 ↑ブドウは次々と圧搾機に運ばれていきます。
 
サントネージュワインでは
おそらく日本で所有しているワイナリーはほとんどないと言われる
最新鋭の除梗破砕機を使って、ブドウと枝を分けていきます。
 
旧来の除梗破砕機は、機械の噛み合わせで
荒く枝と果実を分別しますが、
こちらの機械は細かな振動でやさしく枝と果実を切り離すため、
旧来の機械と比べて時間はかかるものの、
余分な果汁が流れ出ることなく、より繊細な除梗ができるそうです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

↑ブドウの果汁を搾汁中。
 
除梗し、選果したシャルドネは
皮と共にしばらく置く「スキンコンタクト」を行い、旨みを抽出します。
 
その後、このブドウから果汁を絞る搾汁を行いますが、
この搾汁を終えるタイミングがとても重要。
 
最初に出てくる果汁は透き通っていますが
最後の方になるにつれ、皮の成分や酸化の影響で色は濁って濃くなっていきます。
早々に切り上げると、すっきりとした果汁がとれるがコクが足りない、
ただ長く搾り続けると、えぐみが強い味になってしまうそうです。
透明感がありながら適度なコクがある、そんなタイミングを見極めるのが難しいのです。
 
栽培・醸造担当の宮川さんが、何度も味見をして、
搾汁を終えるタイミングを吟味していました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

↑こちらが搾りたての果汁。リンゴのような爽やかな香り。
 はっとするほどフレッシュで、甘くて、美味しい。
 しっかりと選果されているだけあって、とてもクリーンな味わいです。
 
搾汁した果汁はタンクに移され、一時発酵を行い、
その後に木樽に移され、さらに発酵が続きます。
 
午後2時頃、ようやく全ての工程が終わりました。
 
夜中の2時から始まり、約半日間。
このたった半日の仕込みが、約1年後、
来年のワインの完成に関わっていると思うと、
わくわくするような、不安なような。。
ワインメーカーの方の苦労が、少しだけ経験できた貴重な半日間でした。

今回収穫をお手伝いした牧丘倉科シャルドネは、
まだワインを仕込み始めて4ヴィンテージ目という若いワインですが
恵まれた土地を最大限に生かしながらも
毎年新しい取り組みを行って年々進化しています。

何と言ってもその特徴は、ワインのフレッシュで華やかなアロマ!
これこそ、ナイトハーヴェストの賜物と
収穫に参加して改めて感じました。

2015年は収穫量も少なく厳しい年だったようですが、
厳選されたブドウからとれた果汁の味わいは、
透明感がありながらも凝縮した、旨み溢れるものでした。

きっと倉科畑のテロワールが感じられるヴィンテージになるのでは?
来年のリリースが今から楽しみです♪

▼サントネージュのワインはこちら▼
http://www.enoteca.co.jp/item/list?_producer=987
 

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