2015年10月7日水曜日

レオヴィル・ラス・カーズを所有するボルドーの名門、ドメーヌ・デュロン来日!

先日、ボルドーの名門、ドメーヌ・デュロンより
マネージングダイレクターのピエール・グラフィール氏が来日。
ドメーヌが造るシャトーワインの数々をご紹介いただきました。





















↑マネージングダイレクターのピエール・グラフィール氏

そもそも、デュロン?
という方もたくさんいらっしゃるかもしれません。
「メドック格付け第2級のシャトー・レオヴィル・ラスカーズを所有する名門」
と言うとピンと来るでしょうか。

スーパーセカンドの筆頭として真っ先に名が上がる
シャトー・レオヴィル・ラスカーズ。
デュロン家は、19世紀からずっとこのシャトーを所有する
名門ファミリーです。
























レオヴィル・ラスカーズの評価が他の2級シャトーと比べても
抜きんでているには訳があります。
シャトーがあるのはサン・ジュリアン最北部、
北部に位置するポイヤックとの境界に接しているのがラスカーズです。
しかも、その畑は格付け第1級のシャトー・ラトゥールと地続き。
ジロンド河の側の丘に位置することで知られるラトゥールですが、
ラスカーズもラトゥールと並んで、ジロンド河の側に位置しています。

このジロンド河から運ばれた砂利質の土壌を中心として
50以上の複雑な土壌がモザイク状に散らばっているのが
レオヴィル・ラスカーズに複雑さを与えていると言われているそうです。
また、砂利質の土壌は水はけがよく、ジロンド河からの風で
夏は涼しく、冬は暖かい温度が保てるとか。

冷涼なボルドーで、晩熟のカベルネを育てるには
いかにして温暖な気温を保つかが重要となります。
河や海に挟まれていることで、冬は暖かい蒸気が畑に吹き込み、
逆に夏は冷たい風が吹き、ブドウは見事に完熟します。


















↑ラスカーズとクロ・デュ・マルキの畑。土壌の複雑さがわかります。
 ※ドメーヌ・デュロンHPより


実はドメーヌ・デュロンは、レオヴィル・ラスカーズ以外にも
2つのシャトーを所有しています。

1つが、メドック北部にあるシャトー・ポタンサック。
デュロン家が中世から所有している歴史あるシャトーで
太平洋とジロンド川に挟まれているテロワール。
メドックという地名はラテン語で"medio aquae"
つまり「in the middle of the waters=水の中央」
という語源から来ており、まさにそのテロワールを体現するようなシャトーです。
土壌は、粘土質の表土の下に砂利質が広がります。

このポタンサックは、メドックで唯一クリュ・ブルジョワに選ばれ
クリュ・ブルジョワ・エクセプショナル(ブルジョワ級の最高峰)となったという実力を誇ります。
(2009年には辞退したため、現在は格付けなし)

ラスカーズと同じチームが、
格付けシャトーと同じ醸造方法、同じ情熱をもって造っているとのこと。
















↑シャトー・ポタンサック 2012年 3,672円(税込)

2012年をテイスティングしましたが、
よく熟した黒系果実、リコリス、そしてバニラの香り。
適度な凝縮感があり、格付けシャトーと見まがう高級感が感じられます。
長期熟成が可能なシャトーとして知られますが、
今飲んでもジューシーな美味しさが存分に楽しめます。
週末にご自宅でお肉料理などと楽しむにはピッタリではないでしょうか。


もう一つ、ポタンサックの敷地内で造られるワインがシャトー・ラサール。
エノテカが独占輸入している銘柄です。
こちらは特に砂利質が多い土壌の畑のブドウを使用しており
赤系果実の華やかな香りと、透明感のある果実味
そして綺麗なミネラル感が特徴です。
















↑シャトー・ラサール 2008年 3,888円(税込)


7年の熟成を経て、少し熟成香も出てきていますが
生き生きとした酸味と、凛としたミネラルがあります。
こなれていて、これほど綺麗にまとまった手ごろなボルドーワインは
中々ないのでは?
テイスティングしたスタッフからも「手頃な値段だけど、さすがラスカーズ・・」と
その美味しさに驚きの声があがったほどです。
とても品がよく、シンプルにローストした鴨肉などよく合いそうです。


そして忘れてはならないのが、
デュロン家が唯一ボルドーの右岸に所有するシャトー・ネナン。
ポムロルの中心部に位置し、周りには
ル・パンやトロタノワといったスターシャトーがある絶好の立地。

こちらもラスカーズと同じチームが醸造を担当しています。















↑シャトー・ネナン 1998年 17,280円(税込)



















↑ドメーヌ・デュロンが所有するシャトーワインの数々。


グラフィール氏のレクチャーで特に印象的だったのが
全てのシャトーの詳細な地図、そして土壌の細かな分析結果を
子細に説明していだいたこと。
(ドメーヌ・デュロンのHPに子細な地図が掲載されています!)
http://www.domaines-delon.com/en/accueil.html

醸造はもちろんですが、恵まれたテロワールを熟知し、
最適な方法でブドウを栽培することで
素晴らしい品質のワインを生み出しているということが伝わってきました。

ラスカーズをはじめ、どのワインも凛とした高貴さが感じられるのは
恵まれたテロワールを、まっすぐに表現しているからなのかもしれません。


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