スペイン・カタルーニャで創業したスペインワイン界の名門、トーレス社より、
現当主4代目ミゲル・A・トーレス氏のご子息であり、
5代目として将来のトーレスを担うと言われるミゲル・トーレス・マクサセク氏が来日。
エノテカのインタビューに答えていただきました。
↑ミゲル・トーレス・マクサセク氏
物腰はとっても穏やかで、まるでロイヤルファミリーのようなオーラがありました。
1979年、トーレス社が他のワイナリーに先駆けて
チリに進出したことは知られていますが、
これを進めたのが彼の父である現当主のミゲル・トーレス氏。
ステンレスタンクや小樽の導入といった革新的な取り組みで
チリワイン全体の品質向上を牽引しました。
こちらの5代目ミゲル・トーレス・マクサセク氏は2009年からチリに在住し、
フェアトレード、オーガニック栽培、伝統品種パイスの復活など
新しいプロジェクトを実現させてきました。(⇒詳しい記事はこちら)
現在はスペインに戻り、トーレス社全体を統括されています。
トーレス社は、2014年、2015年と2年連続で
「世界で最も尊敬されるワイナリー」に選ばれていますが
その背景には、地球環境や伝統品種への熱心な取り組みがあります。
特に近年力を入れているのが地球温暖化対策で
膨大な研究開発費を、この地球温暖化対策に注いでいるそうです。
「自然の恩恵を受けるワイナリーの責任です。」
と語るトーレス氏。地球環境に配慮したワイナリーづくりを押し進めており
「これはまだ夢ですが、近い未来に最終的には100%自家発電で運営できる
サスティナブルなワイナリーを完成させたい。」
と、熱心にその取り組みを語ってくださいました。
最後に、ご自身の代で一番取り組みたいことは?
と尋ねるとこんな答えが返ってきました。
「やはり、プレミアムワインを造りたい。」
「我々はワインメーカー。どの世代でもより良いワインを造る必要がある。」
実は、新しい土地を購入して、
未来のアイコンワインを生み出すプロジェクトが進んでいるとか。
そのために家族の協力は不可欠で、
同じくワインメーカーの姉、ミレイア・トーレスさんや、
叔母であり、カリフォルニアでワイン造りを行っているマリマー・トーレスさんとは、
いつもお気に入りのワインを持ち寄って「どこがフェイバリットなのか」
と、日々意見交換をしているそうです。
↑ミゲル・トーレス・マクサセク氏と、
姉でありジャン・レオンのマネージング・ディレクターおよび、
トーレス社の研究施設に勤務するミレイア・トーレスさん。
そこで、ミゲル・トーレス・マクサセク氏のフェイバリットワインは?と質問すると
「マス・ラ・プラナ。ハイクオリティなだけでなく、革新的なワインだから。」
との答え。
マス・ラ・プラナ 2010年 750ml
スペイン産カベルネ・ソーヴィニヨンの単一畑で生み出される
トトーレスのフラッグシップ。ファーストヴィンテージである
グラン・コロナス・ブラックラベル(現マス・ラ・プラナ)1970年が、
パリ ワイン・オリンピックで、メドック格付け第1級シャトー・ラトゥールなど
トップシャトーを抑えカベルネ・ソーヴィニヨン部門で見事優勝。
これによりトーレス社はトップワイナリーの地位を確立した、
同社の記念碑的ワインです。
終始穏やかに語るマクサセク氏でしたが、
「プレミアムワインを造る。」と答えた時、
内に秘めた大きな野心が少しだけ垣間見えた気がしました。
5代目が造る、マス・ラ・プラナに続くトーレスの新たなプレミアムワイン、誕生が楽しみです。
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