2016年5月1日日曜日

“パリスの審判” でイギリス産スパークリングがシャンパーニュに勝利!

“パリスの審判”と聞けば
ワイン好きの方はピンとくる方も多いかもしれません。

これは、アカデミー・デュ・ヴァンの創始者が
パリで主催したブラインド・テイスティング。

当時まったく無名のカリフォルニアワインが、
シャトー・ムートンやオー・ブリオンといった
フランスワインを打ち破った、
ワイン界を揺るがした大きな事件でした。

実は、このパリスの審判が開催されたのは1976年5月24日。
今年で40周年を迎えました。

そんな記念すべき年に行われたのが、
シャンパーニュ VS 英国産スパークリングワインという
興味深いテイスティング。

イギリスのテレグラフ紙で、

「 イギリスのスパークリングワインが
 パリのブラインドテイスティングでシャンパーニュに勝利 」

という見出しで紹介されました。





















↑シャンパーニュに勝利した、イギリス産のスパークリングワイン
 「ナイティンバー・ブラン・ド・ブラン2009」
 ブラン・ド・ブラン部門で14人中9人の審査員が、 
 シャンパーニュ「ビルカール・サルモン ブラン・ド・ブラン」を上回る評価を下しました。


こちらのテイスティングは
英国のワイン&スピリッツ・トレード・アソシエーションが主催。
審査員には、フランスのレストランやバーから
ビックネームが名を連ね、
3部門中、2部門でイギリス勢が勝利。
残る1部門においては、シャンパーニュとタイという
イギリス勢の圧勝という結果に終わりました。

















↑イギリス ウェスト・サセックス州にあるナイティンバーの畑


実は、フランスより50年ほど早い17世紀の半ばから
スパークリングワインを生産していたといういイギリス。
(ただ、原料のブドウはシャンパーニュから運ばれたものだったそうです)

これまでシャンパーニュほどの名声を確立することはありませんでしたが、
ここ最近の地球温暖化により、
「ポスト・シャンパーニュ」として注目を浴びるようになりました。

実際、スパークリングワインが造られれているイギリスの産地の気温は
フランスのシャンパーニュ地方の数十年前の水準と同じになっているとか。
また、白亜質という特異な土壌条件もシャンパーニュと合致しています。

テレグラフ紙によると、
シャンパーニュの大手、テタンジェ社は、
イギリスのカンタベリー近くの田園地帯で
170エーカーの土地を購入したそうです。

また、同じようにポメリーも現地メーカーと共に
スパークリングワインをリリースする方針を発表。

大手シャンパーニュメゾンが造る
イギリス産スパークリングワインを目にする日も遠くなさそうです。


















このブラインドテイスティングにおいて、審査員の一人は

「イギリス産のスパークリングワインは、とてもフレッシュで、
 シャンパーニュよりずっとフルーティーだった。」

とコメント。

世界的なワインや食のトレンドが、よりライトな方向に向かっている今、
イギリス産スパークリングワインは、
重厚で他にはない複雑さが魅力のシャンパーニュに対して
また違ったアドバンテージがあるのかもしれません。

これからもますます目が離せない産地となりそうです。


0 件のコメント:

コメントを投稿