輸出マネージャーであるフィリッポ氏が来日。
スタッフ向けにセミナーが行われました。
アンティノリは、1385年にトスカーナに創業した
名門中の名門ワイナリー。
今やイタリア全土に10以上のワイナリーを保有する
大企業でありながら、創業以来家族経営を貫き
一貫して高い品質のワインを世に送り出し続けています。
今回試飲したのは、
ウンブリアのワイナリー、カステッロ・デラ・サラで造られる白ワインと
トスカーナで造られる赤ワイン。
中でもフィリッポさんの一押しは、
ボルゲリで造られるスーパータスカン、グアド・アル・タッソ。
アンティノリと言えば、キャンティ・クラシコ地区で造られる
ティニャネロとソライアが世界的に知られていますが、
実は、こちらのグアド・アル・タッソもその2本と肩を並べる
恐るべきポテンシャルをもったワインです。
グアド・アル・タッソ 2012年
12,000円(12,960円)
フィリッポさん曰く
「ライバルはサッシカイアとオルネライア。」
どちらもグアド・アル・タッソより格段に知名度があり
世界中に熱狂的なファンが多い銘柄。
サッシカイアが2万円、オルネライアが4万円近くすることからも、
フィリッポさん、ちょっと下駄を履かせ過ぎじゃ・・
と思ってしまいますが、それにはれっきとした理由が。
なぜなら、サッシカイアもオルネライアも、
オーナーはアンティノリ家と親類関係にあり、
サッシカイアの畑は、かつてはグアド・アル・タッソと同じ広大な一つの土地だったのです。
アンティノリ家が所有する広大な土地を分割し、
生まれたのがサッシカイアとグアド・アル・タッソでした。
↑かつてはサッシカイアと同じ敷地だった、広大なグアド・アル・タッソの畑
1,000haという広大な土地。300haにブドウの樹を植えています。
さらには、サッシカイアの生みの親として知られる
故ジャコモ・タキス氏を最初に見出し、
ティニャネロを生み出したのもアンティノリ家。
アンティノリで働いていたジャコモ・タキス氏が、ピエロ・アンティノリの協力のもと、
ボルドー大学のエミール・ペイノー教授に教えを乞い
ボルドー品種や小樽熟成を取り入れたことが、
ティニャネロ、そしてサッシカイア誕生につながりました。
そして、オルネライアにワイン造りをアドバイスしたのが
サッシカイアだったと言われることからも、
ボルゲリにおける一連のスーパータスカン誕生に一役買ったのが
アンティノリ家だったことは疑いようがありません。
だからこそ、そのアンティノリが造るグアド・アル・タッソが、
親類関係にあって、世界的に成功しているサッシカイアとオルネライアを
ライバルとして意識するのもうなずけます。
ただ、サッシカイアのファーストリリースが1968年、オルネライアが1985年
それに比べて、グアド・アル・タッソは1990年。
知名度の低さは、歴史の浅さが一因なのかもしれません。
フィリッポさんによると、グアド・アル・タッソのスタイルは
繊細なサッシカイアと、豪奢なオルネライアとの中間だそう。
しかも価格は約半分~数分の1。
本家本元が造るボルゲリで、
スタイルはサッシカイアとオルネライアのいいとこどり、
しかも両者よりお手頃!
このくだりで、フィリッポさんの眼光がきらりと光りました。(笑)
このフィリッポさんの自信を裏付けるかのように(?)
グアド・アル・タッソの評価は年々着実に高まっており、
最近のヴィンテージのパーカーポイントでは、
グアド・アル・タッソの2011年が95点、2012年が95点と、
サッシカイアの2011年94点、2012年93点を上回っているほど。
オルネライアの最新ポイントは2010年の97+点ですが、
同2010年のグアド・アル・タッソは97点、サッシカイアが96点と、
パーカーポイントの評価では、完全に両者に拮抗しています。
知名度ではサッシカイアとオルネライアに劣るグアド・アル・タッソですが
フィリッポさんの言葉通り、生まれも品質も申し分ない、
アンティノリ家渾身のスーパータスカン。
世界的に人気が出るのも時間の問題かもしれません。
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